驚愕の帰国便「欠航理由」。NY在住日本人社長がネッシーを探す旅

 

WiFiも繋がらず、音楽も聞き飽きて、光景も見飽きて、することないので、ガイドブックを熟読します。途中、通過する駅のたびに、ガイドブックでチェックする。

unnamed-31

ピトロッポリー(Pitlochry)って、あの夏目漱石もロンドン留学中にここでバケーションをとったくらい、イギリス人にとってヴィクトリア時代からのリゾート地なんだなぁ」とか。

「ここが、映画『ブレイブハート』でメルギブソンが演じたスコットランドの英雄ウィリアム・ウォレスの戦いの舞台となったスターリング(Stirling)なんだ」とか。

おそらく二度とくることもない、スコットランド中西部の郊外に、ちょっとだけ詳しくなっていく。そうこうしているうち、到着しましたグラスゴー駅。夕方になっていました。

予約していたホテルは駅から出て、目の前。どこにも寄らず、とりあえず荷物を降ろして、シャワーを浴びたいのでチェックインをします。レセプションでは、僕の前の中国人家族と受付のおねえさんが理由は知らないけど、大バトル中。両者一歩も引かない激論を繰り広げていました。スコットランド人のおねえさんが勝つのか、一家を代表してカタコト英語が話せる、パーマをかけた中国人のおばちゃんが勝つのか、見守るつもりもなく、ロビーのソフャに沈むように座り、待っていました。

なかなか戦いは終わりを見せず、奥から別のスタッフのお兄さんが出てきて、僕のチェックインを対応してくれました。カードキーをもらってエレベーターに乗るまで、バトルは続いていました。

部屋に入り、シャワーを浴びて、うとうと仮眠から起き上がるとすでに8時を回っていました。夜ごはんと散策に外に出る。ロビーでまだスコットランド対中国のワールドカップが続いていたら、ちょっとおもしろいかもと期待してたけど、さすがにすでに終わっていました。

ホテルを出ると、そこはもう大通りのブキャナンストリートのど真ん中。やっぱり都市部は落ち着きます。世間一般では、「田舎」の方がイメージは、とても穏やかで、人もよく、物価も安く、暮らしやすい、といったものだと思います。僕自身は、真逆のイメージを持っています。

田舎で生まれ、田舎で育ったので、田舎特有の「土着感」というか、閉鎖的で、ゴシップ好きな人たちに囲まれる「窮屈感」というか、今だに馴染めないところがあります。商売も、独占になりやすく、企業努力は都会にこそ見れるので、価格競争のない郊外は、意外と割高だったりもします。この話は長くなるので、まだ別の機会に。ただ、ネス湖の湖畔の郊外より、スコットランド最大の都市部のグラスゴーは、到着してすぐに、呼吸がしやすくなった気がしました。

舗装された道路に、世界中どこにでも見るブランドショップに、スターバックス。ダブリンの新市街も、イスタンブールの新市街も、そしてミラノも、ベルリンも、同じでした。なんなら、僕の故郷である高松の「ライオン通り」にもそっくりです。世界の都市部はもうすでに、画一化されています。

unnamed-32

print
いま読まれてます

  • 驚愕の帰国便「欠航理由」。NY在住日本人社長がネッシーを探す旅
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け