驚愕の帰国便「欠航理由」。NY在住日本人社長がネッシーを探す旅

 

ユナイテッドエアライン162便 9:00AMのグラスゴーーニューアーク行き。僕の乗るはずだった便は、パイロットふたりが酩酊状態で乗務を試みようとし、フライト直前で当局に逮捕。世界的なニュースになりました。 ● CNN.co.jp : パイロット2人を飲酒の疑いで逮捕、米旅客機がキャンセルに 英

ベロンベロのパイロットは離陸寸前まで操縦席に座っていたそう。その日のBBCニュースでは、あのままフライトしていたら、墜落していた可能性が大きかった、と報道しました。

墜落するはずの飛行機に乗るところだった。

かつて、ロンドンとロッテルダムでHOLD UPされ、ローマでアラブの窃盗団に囲まれ、フィレンツェで目の前で建物が崩れ、ベルリンでスリに遭い、ティワナで車が半分になる事故に遭い、ハルビンで車に監禁され、ベルファストでスーパーモデルに全身ゲロ吐かれ、パリのブリューニュで野宿して、今回なにもないと思ったら、いちばんの被害に遭うとこだった。

なんだ、オレ、ツイてんじゃん。まだ、モッテんじゃん。

と思った翌日のUA。用意されたカナダ経由のERW行き。トロントでエスタがない!とわけのわからない(結果、カナダ政府の、というよりカウンターのおねえさんの)ミスで12時間、カナダの空港に監禁状態。やっぱ、ツイてねえじゃん!もう、どっちゃでもええわ(笑)

やっと解放され、カナダエアー、ニューアーク行きに乗れました。12時間もどうなるかわからない状態だったので、これ以上なく疲労し、機内で少しだけ息苦しくなります。

キャビンアテンダントのお姉さんに「水を一杯もらえない?」と聞くと、「飲み物のサービス、すぐに来るから待ってな」とひとこと。「いや、体調がよくないから、申し訳ないけどできれば、今、水を一杯だけもらえないかな」としつこく食い下がると、仕方ない感じで後ろのスタッフエリアまで、行ってくれました。不安なので見ていると案の定、同僚のCAさんと笑いながら、談笑し、そのまま水は忘れ去られました

ニューヨーカーにしても、スコティッシュにしても、カナディアンにしても、どうして日本人のようにきっちりできないんだろう。いい加減なんだろう。渡米して20年弱、ずーっと考えてきました。色々な説明ができると思います。あるいは、日本人の方が世界では稀で、少し責任感が強すぎるという意見がいちばん多いかもしれない。

でも、今回、やっとひとつの答えがでました。どうしても欲しい水を2回頼んだにも関わらず、いい加減に忘れられてしまう、その原因、答えが、です。それは僕自身が、いい加減だから。人間のカルマはよくわからないけれど、僕自身が、よく忘れるいい加減な人間。それを棚に置いて、他人に要求しても調子良すぎます。人を責める前に、自分を振り返れよ。人様に何か偉そうなことを言える人間か。長すぎる帰りの飛行機でちょっとだけ気持ちがラクになりました。

ニューアーク空港に到着して入国審査が終わると、急に呼吸がラクになりました。荷物受け取り場に行くと、妻が子供たちをベビーシッターに預けて迎えにきてくれていました。日系グロッセリーで買ってきた、めんたいこおにぎりを手渡され、ホッとしたところで、旅が終わります。(おわり)

image by: Shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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