普段、何気なく使っている言葉、そのまま使っても間違いというわけではありませんが、正しい使いなど、本当の意味を分かっていない言葉が意外と多いのをご存知でしょうか。今のままでも不自由はないけれど、正しく使えたら日々が少しだけ楽しくなりそうですね。ここでは無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』の著者・須田将昭さんがリサーチした、いくつかの言葉の「正しい使い方」をご紹介いたします。知っていて損はありませんよ。
どこで切りますか?
先日、ラジオを聞いていましたら、ヘリコプターは、ギリシャ語のヘリックスとプターが語源だから、ヘリで切らずに、ヘリコとプターで切るのが正しいのでは? という、ちょっと面白い話題が出ていました。
ウィズダム英和辞典第3版を見てみると、
<hel・i・cop・ter
helix(らせん)pter(翼)>
となっていました。
英語の音節はどこで区切るのかは非常に難しい問題で、辞書によって見解が異なるのはざらです。念のため、リーダーズ英和辞典も引いてみましたが、おなじ分け方でした。このわけ方を見ている限りでは、ヘリとコプターで日本人が分けて言っても問題なさそうです。
これは、元の言語の分け方を見ても違わないパターンですが、日本語ではそう分けるとは思えないものもあります。
アフリカ大陸の山キリマンジャロは、コーヒーの名前でもあり、耳にする機会も多いですが、キリマンと呼ばれることもありますね。しかし、本来はスワヒリ語で
<キリマ(山)+ンジャロ(白)>
が由来と言われていて、それだと、キリマンで切るのは中途半端なイメージですね。これはまあ、日本語には「ん」で始まる音節がないことや4拍の方が落ち着くという特性が災いしたと思われます。
日本語の熟語でも3文字のものが、どこで切れるかは意外に難しい時があります。
- 無責任、不公平、未完成、非常識
など、否定の意味のある文字が最初にある時は
- 1字+2字
と言えますが、そうと決め付けると、
- 未亡人
なんて言葉で困りますね。「未+亡人」ではありませんね。「夫が亡くなったのに未だ亡くなってない人」ですから、分けるなら「未亡+人」です。
※なかなか酷い意味合いがありますが、今はそういうニュアンスはなく、相対的に見て、価値が上昇した語と言えます。
「農作物」も、「作物(さくもつ)」」という語に引きずられて「農+作物」と分けたくなりますが、辞書を見る限りでは「農作+物」です。意味では「農耕により出来たもの」だからでしょう。
語の成り立ちを知るために切ってみると意外にいろんなものが出てきますね。
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