台風19号の水害を拡大させてしまった想起ヒューリスティックの罠

 

今回のような猛烈な台風は今後も頻発すると思います。気候が変換期にきているのはまぎれもない事実です。台風19号はただの台風ではなく、21世紀の気候変化の序章です。

「ニュースステーション(テレビ朝日)」をやっていた頃、1時間100ミリの雨が福岡で降り番組のトップで報道しました。他の番組も同様でした。

でも、2年後には頻発するようになり、天気コーナーで伝えるだけになりました。つまり、珍しい現象ではなくなったのです。

人為的な温暖化否かに関係なく、気候は確実に変化している。台風など気象による災害は地震とは異なり、予想し備えることができる唯一の災害です。

今、ここで自然災害ときちんと向き合わないと、「私たちの命」が危険にさらされるのです。

そもそも日本は豪雨、地震、火山と災害大国なのですから、米国のFEMA(Federal Emergency Management Agency)のような政府機関の設立する、地方自治体に分散している災害対応を、どの組織の、どの大臣が、気象庁と連携してまとめるのか?避難所を学校などに委ねるのだけでいいのか?シェルターのようなものを整備する必要はないのか?災害弱者である高齢者や障害者などの人たちのサポートをどうするのか?議論すべきことは山ほどあります。

災害時に大きな力を発揮するのは、具体的な情報と経験鳥の視座をもつ人たちそして高い技術をもった専門家と実施可能なスキルです。

つまるところ、最後の最後はハード面よりソフト面。それをどう強化するかが問題なのです。

とはいえ残念ながらマンパワーには限度がある。公助共助だけではなく自助をもっと強化する取り組みも必要不可欠です。

学校教育で、地域教育で、会社教育で、さらには高齢者施設でも「自助」の意識とスキルを高める取り組みを。私たち自身が積極的に関わることが大切なのだと思います。

みなさんのご意見、お聞かせください。

image by: Shutterstock.com

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年10月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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