被害者を更なる絶望に追い込む「セカンドハラスメント」とは何か

 

新米 「どう言うケースをセカンドハラスメントというんですか?」

E子 「ハラスメントを『よくあること』等の理由で放置する『俺の時はこうだった』と持論を展開して相手の話を聞かない相手の思い込みとして相談を受けることを拒絶する『こういうハラスメントがある』と流布する。一般的には、こういったことを指すわ」

新米 「えぇ~!『こういうハラスメントがある』と流布ぅ!?」

E子 「そうよ。そんなとんでもないセカンドハラスメントもあるのよ」

大塚 「セカンドハラスメントには、『被害者にも落ち度があった』ことに焦点をあててしまう、問題の責任を加害者ではなく被害者に求めてしまうそんな考え方があるようですね。女性の社会進出が進んだ今でも、まだ日本では男尊女卑の考え方が根深いことが背景の一つと言われています」

E子 「セカンドハラスメントをしている人は、自分がハラスメントの加害者になっている意識がないことがほとんどのようね」

深田GL 「相談段階では、相談者の話を聞きながら『本当にそんなことがあったのだろうか』『その事実関係は正しいのだろうか』『なぜその時点で対処しなかっただろうか』など、疑問が湧いてくることもあるだろう。でも、ハラスメント被害者のケアのためには、まずは心の重荷を解いてあげることが大切で、細かな疑問は横に置いて、相談者の声に傾聴することを心掛ける。そうすることで、セカンドハラスメントの予防につながると思うな」

大塚 「うーん。そうかもしれませんね。『なんで上司と二人きりになったの?避けられなかったの?』と言われたとか、『(加害者は)そんな人には見えないよ。思い込みでは?』と言われたとか、『社会では(ハラスメントが)往往にしてあるから』と言われたとかねー。了解なしに、大勢の前でハラスメント内容、被害者や加害者がわかるような報告をされるのも最悪」

E子 「『対応を検討しておきます』と言いながら、他の業務に追われて相談されたことを結果的に放置してしまったり、『面倒だな……』という気持ちが出てしまい、無意識のうちに拒絶的、高圧的な態度になったり、相談された話題をうっかり周囲に広めてしまったり……」

新米 「セカンドハラスメントっていってもいろんな角度のものがあるんですね」

大塚 「相談をした人に『話すべきではなかったか?』『どうせこの会社は何もしてくれない』『もう誰も信用できない』といった風に思われたり、絶望的な気持ちにさせたりするとダメですよね」

E子 「何気ない行動が、最悪の場合には自殺や裁判などへとつながってしまうこともあるわ。セカンドハラスメントとして受け止められないよう、会社は重々留意する必要があるわね」

新米 「ホントに…、会社は、ハラスメントを起こされたうえに訴えられるとさらに大変ですね。そういうことが起こらないようにするために、社風も含め、様々な対策、準備が必要だってことですね」

深田GL 「再発防止措置の実施もね」

新米 「そうですね…!」

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