2015年3月30日の朝日新聞は「日本版FEMA、設立見送り現行組織改善で対応」と伝えています。
「政府の危機管理組織について内閣府などの副大臣会合は30日、米国の連邦緊急事態管理庁(FEMA)を参考に検討していた日本版FEMAの設立見送りを決めた。『ほぼ全省庁の統合が必要で巨大化してしまう。現行組織の改善で対応すべきだ』としている」(以上、朝日新聞)
このとき副大臣だった皆さんは、自分たちがいかに役所の杓子定規や事なかれ主義に乗せられていたか、騙されていたかを痛感させられているのではないでしょうか。
同じように、「そんな組織は不要」との反対をはねのけて、もうひとつの国家の司令塔である国家安全保障会議(NSC)を創設した安倍首相が、どうして日本版FEMAに着手しようとしないのでしょうか。
安倍首相に近い有力政治家の間からも、「安倍さんは、石破さんが提唱しているから日本版のFEMAをやりたがらない。自民党内の反対論も、民主党政権が危機管理庁の必要性を謳っていたから否定的なのだ」という声が漏れてきます。
私は、安倍さんの度量の広さに期待している人間です。日本版FEMAの必要性は、石破さんや民主党が口にする前から言われてきたのですから、沽券やメンツにこだわることなく、それこそ粛々と実現に向けて動いてもらいたいと思います。安倍さんには、そこで歴史に名を残してもらいたいものです。(小川和久)
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