子どもを脅して言うことを聞かせた親が後でハマりがちな落とし穴

 

なので私はこんな風にお返事しました。

シーちゃんママさん、こんにちは。パピーいしがみです。

まずメールを拝見して思ったのは、シーちゃんママさんが考える「しつけ」ですが、その前にしなければならなかったがあるのでは?と感じました。

子供があまりにも言うことを聞かなかったりワガママが酷くて手におえない時には「そんなことしていると…」と言いたくなりますし、たまにそれがあっても良いはと思います。その怖さが、暴走する子供の抑止力にもなりますからね。ただ、その怖さを感じさせる前に「なぜそれをしなければならないか?」という理由を“教える”事が何よりも先に必要だった、と思うのです。

確かに「恐怖心をあおる」事は、結果的に子供の行動に変化をもたらすので、しつけとして効果的に感じるかもしれません。ですが恐怖心をあおって従わせても、子供は「どうしてそれをしなければならないか?」が理解できません。

「しつけ」とは、ただ従順に親に従う事ではなく、子供がその時々で自分で考えて正しく判断できるようになる為ですよね。とすると「怖い事から逃れる為に、親に従った」だけでは、子供が自分で考えて行動するようにはならないのですね。

今回、保育園から「元気がなくて小さなことで泣きやすい」「積極性が見られない」と指摘されたと書かれていました。又、ご自宅でも、いろんなものに「怖い、怖い」と言って、お母さんにしがみつくようになってしまった、とも書かれていました。

とすると、本来子供が持っているはずの、自然な興味や向上心よりも「又、叱られるんじゃないか?」「脅されるんじゃないか?」という不安の方が大きくなってしまっているのではないかな?と感じるんです。

子供は叱られ続けるとどんどん自尊心が削られていきます。積極性も失います。ただそれだけでも「叱る」はデメリットが大きいのですが、それに「恐怖心をあおる」事をしてしまうと、さらに「不安」を強くしてしまいます。

多分シーちゃんママさんが「××しないとママやめるよ」と言われたのは、鬼と同じぐらいインパクトのある言葉を探した結果だと思うのですが、実はこの「ママやめるよ」の言葉は、子供にとっては不安感を与える最大級の言葉なのですね。不安の中で怯えている子どもにさらに追い打ちをかける事になってしまうのです。

シーちゃんママさんは「従順な子供」を望み「しつけ」をしておられたかもしれませんが、子供が従順になってしまったら、それは「正常ではない」と思ってほしいのです。いたずらをするのが子供であり、親の思い通りにしないのが子供です。そしてワガママを言ったり、甘えたり、手がかかるのが子供なんですね。それは確かに扱いにくい事でもあるのですが、いたずらをする事も「もっと遊びたい」などと言うことも、向上心があるからなんです。

今、そんな子供らしさを失ってしまっているとお感じであれば、まず、子供が甘え、ワガママを言えるように、あまり「いい子」を求めず、のびのびさせて下さい。叱る事よりも、甘えに応じてあげたり、ワガママに少し付き合ってほしいのですね。そして「××しないと××だよ」との脅しの言い方をやめて、なぜそうしてほしいのか、穏やかに理由を話してあげて欲しいのですね。

どちらにしても今、強く感じている不安感。それを取り除くことが何より優先すべき事だと思います。不安を与えない為にも、お母さんの表情も柔和にすることを心掛けて、安心できるようにご注意なさって欲しく思います。

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