デメリットも。宅配ボックスをマンションに後付けする時の注意点

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その利便性から、これまで設置されていなかった集合住宅でも宅配ボックスの後付けを検討するケースが増えていますが、やはり注意も必要なようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、宅配ロッカーのメリットやデメリットを記した上で、「本当に必要か」をきちんと検討してからの設置を、と呼びかけています。

既存マンションで宅配ロッカー設置を考えたら

こんにちは!廣田信子です。

再配達を減らし、居住者の利便性を確保するために、既存マンションで、後から宅配ボックスの設置を検討するところが増えています。悩みは設置場所の確保です。エントランス等に余裕があればいいのですが、なかなかそうもいかないというところも…。

建築基準法上の制限があり増設はできないし…と思うようですが、実は、現在、宅配ボックスは、容積率算定面積から除外できるので、容積率に余裕がないマンションでも増設は可能なのです。2018年9月に、容積率緩和の対象に宅配ボックスの設置部分が加わったからです。宅配の増加、再配達問題を受けての措置だと思います。

床面積の合計の1/100が上限ですが、マンションでこれをクリアーできないことはまずないと思います。認められるのは、宅配ボックス本体と、出し入れスペース(本体から1メートル以内)となります。

高経年マンションで検討する場合は、住民のニーズ(使用頻度、荷物の大きさや重さ、必要度等)を細かく把握し、高齢者が使いこなせるかもきちんと検討してほしいと思います。高齢の方の中には、宅配ロッカーから重い荷物を取り出して、自宅まで運ぶということが困難な方もいます。重くて運べないから、宅配を頼んだのに、宅配ボックスに入れられたら困る…という方も

さらに、今、宅配ボックスは宅配以外にも利用されています。例えば、管理員さんがいない時間帯の集会室の鍵や来客用駐車場許可証等の受け渡しに活用しているケースもあります。住民が共用で使うために購入した、工具やキャンプ用品の保管と受け渡しに使用しているケースも。どうせ導入するなら、いろいろな可能性も検討してみてください。

また、確かにあれば便利でしょうが、今、宅配は、時間指定が細かくできるようになっていますし、コンビニや駅など受け取れる場所も増えています。宅配ロッカー導入には、初期投資だけでなく、メンテナンス費用も必要になりますから、メリット、デメリット全部出し切って、検討して頂ければと思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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