接客時に「お客様のプライベートを聞いてはいけない」は絶対か

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SNS拡散問題や個人情報保護の観点から、初対面でプライベートに触れない習慣が身についた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「販売スタッフの場合、お客様の細かいニーズを得る為にプライベートを伺ったほうがいいシーンがある」とするのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、具体例を上げその理由を記すとともに、プライベートに触れる際の注意点を記しています。

本当に聞いてはいけないのか?

専門学校で接客の授業をさせてもらっている私ですが、学生たちと話をしていると、「お客様に聞いてはいけないと思っていた」という話がよく出てきます。

何を聞いてはいけないと思っていたかというと、例えば、仕事のことであったり、どんな生活をしているかであったり。要は、少しでもプライベートにかかるようなことを聞いてしまうのは、よくないことだと思っているわけです。

これは、どこかの店に行って、若いスタッフさんと話をしている時にも、よく上がってくる話です。10代後半や、20代前半くらいのスタッフさんと話をしていると、やはり同じように、「プライベートの話はあまり聞かない」「聞くのはいけないことだと思っている」という話が上がってきます。

確かに、お客様のプライベートに対して、あまりにも突っ込みすぎるのは、よくないことなのかもしれません。特に、まだそこまで仲良くなれていないお客様に対して、最初からズケズケとプライベートに突っ込みすぎると敬遠されてしまう可能性は高いでしょう。

しかし、それも、内容によると思います。

例えば、洋服の販売をしているとして、お客様の接客をするとします。すると、お客様がどんな場面で使いたいと思っているかその場面は具体的にどんな場面なのかがわからないと、まともな提案はできるものではありません。

「仕事で使いたいと思っている」というニーズがあったとしても、その仕事がどんな仕事で、どの程度までの服装なら許されるのかや、どんなシチュエーション用なのかが見えてこないと、そのお客様のニーズに正確に合う商品提案にはならないのです。

それを聞かずに、「仕事で使いたい」という情報だけで提案しようとするから、勝手にイメージした仕事用の服の提案になり、結局、お客様の想像とは違う商品を延々と提案することになったり、ありきたりな、誰にでも同じことが言える提案になります。だったら、やはり提案に必要な情報は聞き出す必要が出てきます。

職場では、どの程度の服装まで許されるのか?取引先の人と会う機会は多いのか?社内でだけ着るような服なのか?

そうした情報を教えてもらうことで、初めて、お客様のニーズに合う提案になっていくはずです。好みなども同様ですよね。どんな色や柄が好きなのか?自宅にある洋服はどんなもので、どんな手持ちの洋服と合わせたいと考えているのか?そうした情報があれば、より明確にニーズに合う商品提案につながることでしょう。

それらの情報を聞くことを怖がっていたら、いつまでたっても、本当にお客様のニーズに沿った提案はできなくなってしまいます。これらは、聞いてはいけない情報ではなくて、むしろ聞けてないと困る情報です。

逆に、プライベートの話でも、商品提案とはあまりにもかけ離れた話ばかりをすると、それは敬遠されてしまいます。

大事なのは、お客様に良い商品を知ってもらうためにどんな情報が必要なのか自分が理解しておくことではないでしょうか。そのためには、事前に質問する内容を考え、整理しておくことも大切です。

今日の質問です。

  • あなたの店の商品をお客様に提案する際、どんな情報があれば、良い提案ができますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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