でも、こうした考え自体が、安倍政権による「民主党政権時代の悪夢を繰り返してはならない」という印象操作に乗せられた結果なのです。あたしはデータを出して何度も指摘して来ましたが、現在の安倍政権よりも、かつての民主党政権時代のほうが、名目GDPも、実質賃金も、正規雇用の有効求人倍率も、世帯別の消費も、すべて良かったのです。現在の安倍政権は、各省庁の調査データの数字を改竄し、計算方法を変更し、あたかも民主党政権時代より改善したかのように演出しているだけなのです。だから、いくら「デフレを脱却した」「景気は回復基調だ」と連呼されても、大半の国民には実感が伴わないのです。本当にデフレから脱却したいのなら、本当に景気回復を望んでいるのなら、有権者1人1人が選挙のたびに投票に行かなくてはならないのです。
あたしは、香港の周庭さんのツイッターをフォローしていますが、今年7月21日、周庭さんは日本語で次のツイートをしてくれました。
今日は参議院選挙です。日本人は、私たち香港人が持っていない民主的制度を持っています。だから、自分の権利を大切にしてください。日本の皆さんには、香港のことを見て、自分が自分の国の未来を決められることはどれだけ幸せなことなのか、知っていただきたいです。
今日は参議院選挙です。日本人は、私たち香港人が持っていない民主的制度を持っています。
だから、自分の権利を大切にしてください。
日本の皆さんには、香港のことを見て、自分が自分の国の未来を決められることはどれだけ幸せなことなのか、知っていただきたいです。https://t.co/0jymCgO0aR
— 周庭 Agnes Chow Ting ?? (@chowtingagnes) July 20, 2019
しかし、今年の参院選の投票率は、わずか「48.8%」、前回2016年の「54.7%」を大きく下回り、24年ぶりの過半数割れとなりました。あたしは、民主主義を手に入れるために戦い続けている香港の人たちに対して、本当に恥ずかしくなりました。そして、過半数を割っていた投票率が70%を超えたことで、親中派と民主派の議席数が大逆転した今回の香港の区議会選挙の結果を見て、改めて「有権者が投票に行かなければ民主主義は成立しない」ということを痛感させられました。
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