尖閣諸島周辺における中国公船の動きがかつてなく活発な納得の訳

 

しかし、この記事は誤報でもあります。「近年は機関砲を搭載するなど武装化も目立つ」の部分です。確かに、中国は新しい公船(巡視船)の建造を進めていますが、そこに搭載されている武器は海上保安庁と同水準の30ミリ機関砲が中心です。

しかも、尖閣諸島周辺で行動する中国公船は「非武装」に近い状態なのです。4隻編成の場合が多いのですが、武装しているのは1隻だけなのです。

これに対して、中国公船を規制するために出動している海上保安庁の巡視船の全てが、30ミリ機関砲、20ミリバルカン砲(6銃身)、12.7ミリガトリング砲(3銃身)といった国際水準の武器を搭載しているのです。どちらが重装備か、武装化が進んでいるか、子供でもわかる話です。

毎日新聞の記者の過ちは、海上保安庁の当局者の話を鵜呑みにし、中国の公船だけが武装を進めているかのような、偏った情報を垂れ流した点にあります。中国公船の武装化の話をするためには、少なくとも中国と日本の比較について担当者に質問しなければなりません。相対的な評価抜きにした記事は客観性を欠いており、誤報とするしかないのです。(小川和久)

image by:  Igor Grochev / Shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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