現役アナ伝授。内容や話者の感情とリンクした動作を見せる話し方

 

また、プロンプター、カンニングペーパーを使おうが使うまいが、話している様子を見せることを意識するケースが増えてきたため、そういう時にはこう振る舞う、こうカメラに写る、という話し手としての見え方、見せ方も普及、一般化してきました。

ですから、テレビ出演者のようなカメラの前で話すプロではなく、たまに、観衆の前に立って話すような社長さんや、セミナーや講演で話す立場の人、ユーチューバーさんなどの、話す時の動作、振る舞いも、かつての、手元の原稿を見て、うつむきながら話す発表や会見とは、ずいぶん変わったとは思いますが、まだまだそういった発表者・発言者の話の見せ方が、凡人だと思えてしまうのは、前記の2点が考慮に入っていないからです。

まずは、

  • その動きが、話の意味、話し手の感情とリンクしていること

というポイントについて。

ごく簡単に言うと、感情にまかせて手を動かすだけ、という人がほとんどなのですね。まったく無意識のまま、しきりに手を動かす人はもちろん、手の動かし方を見せようとしているものの、その動きに全く意味のない話し手がほとんどです。

頻繁に手を動かす話し手は、その情熱を伝えることはできるかもしれませんが、かえって神経質に見られたりする恐れもありますし、妙に手の動きを見せようとする話し手は、聞き手の意識をそらしたり、ごまかしたり、なんだかちょっと裏がありそうな印象を与えかねません。妙な手の動きを、あえて見せようとする…これって、手品師と同じですよね。タネを隠している人の話し方なんです。

ですから、動きに意味がないのに、見せようとし過ぎるのは、NG、無頓着すぎて、せわしなく動かし過ぎるのも、NGです。もし、情熱的に語っている姿を印象付けるために、手を激しく動かすのであれば、むしろ、通常は動かすのを我慢しているぐらいでないと、メリハリがないため、効果が薄くなってしまいます。なにごとも、四六時中同じなのは、無意味、悪ければ逆効果になるものです。

また、人間の手は、ロケットパンチのように切り離して飛ばすことはできず、いつも体にくっついている状態ですよね。その「手が語りすぎる」のは、話が自分の域を脱しない、自分が自分が、の話になってしまいがちです。せっかく動作をつけて話すのであれば、聞き手を巻き込む動作を心がけたいところです。

print
いま読まれてます

  • 現役アナ伝授。内容や話者の感情とリンクした動作を見せる話し方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け