自分を変えるためにはエネルギーが必要なため、ついつい「今のままでいい」と思ってしまいがちです。しかし、そんな考え方の先に絶望的な未来が待っているとしたら…。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では現役弁護士の谷原誠さんが、ディケンズの名著『クリスマス・キャロル』を取り上げつつ、変わることの大切さを説いています。
クリスマス前に始める
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
街がクリスマスっぽくなってきました。クリスマスというと、ディケンズの『クリスマス・キャロル』を思い出します。ネタバレなので、まだ読んでない人、映画を観ていない人は要注意です。
クリスマス・キャロルの主人公は、スクルージという老商人で、冷酷で無慈悲、金にがめつく、ケチで、愛情と無縁な人物で、周りからの評価もそのように定着してしまっていました。
クリスマスの前日に、スクルージは、3人の精霊の訪問を受けます。3人の精霊は、それぞれ、スクルージの「過去」、「現在」、「未来」を見せます。
過去の精霊は、今のケチで冷酷無慈悲な心とは無縁の、スクルージの少年時代に彼を引き戻し、その後、青年時代の周囲と仲良く過ごし、恋人との出会いなどを見せます。
現在の精霊は、スクルージが安い給料で雇っているクラチットの家族団らんを見せる。クラチット家は、貧しくとも、明るい家庭を築いていました。そして、クラチットは、安い給料でこき使われているのに、その場にいないスクルージに乾杯しようとする感謝の心を見せます。
そして、クラチットの末子ティムが、脚が悪く、長くは生きられないことを暗示します。未来の精霊は、スクルージに対し、評判の非常に悪い男の死を見せます。その男の死を悲しむ人は誰もいません。男が死ぬと、その男の身につけている物まではぎ取られてしまいました。また、クラチットの末子ティム少年が、世を去ったことを知ります。
最後に墓にたどり着くと、その墓には、スクルージの名が刻まれていました。スクルージは衝撃と絶望で目を覚ますと、その日がクリスマスの朝であることを知ります。つまり、彼が経験した悪夢のような未来が、まだ変えることができる可能性があることを知ったのです。
そこで、彼は、クラチット家に御馳走を贈り、一度ひどい断り方をした寄付受付者に対して、寄付を申し出、やはりひどい断り方をした甥のフレッドの夕食会に出向きます。そして、クラチットの給料を見直すとともに彼の家族への援助を申し出ます。
冷酷無慈悲、ケチで金の亡者のように言われていたスクルージの評判はどうなったでしょうか?のちにスクルージは、病気が治ったティムの第二の父とも呼べる存在となり、「ロンドンで一番クリスマスの楽しみ方を知っている人」と言われるようになったのです。
私たちは、生きていると、これまでの自分が嫌になることがあります。それを変えようとしても、
「周りからどう思われるか?」
「どうせ長くは続かないだろう」
「一度できた評判は変わらない」
などと諦めてしまいがちです。しかし、それは違います。クリスマス・キャロルのスクルージのように、決断するのに遅すぎることはありません。
「では、来年から変わろう!」
それでは遅すぎますね。今すぐ始めましょう!
「いつかできることはすべて、今日もできる」 モンテーニュ
では、
「変わるためには、どうすればいい?」
自分への効果的な質問は、この本で!
『人生を変える「質問力」の教え』(WAVE出版)
今日は、ここまで。
image by: Shutterstock.com