韓国の文在寅大統領政権ナンバー2のイ・ナギョン(李洛淵)首相が退任し、後任に与党の重鎮、チョン・セギュン(丁世均)前国会議長の起用を発表したとNHKや時事通信が速報で伝えています。これは17日午後2時半からの記者会見で、文在寅大統領が発表したもので、李氏は与党「共に民主党」に復帰する見通しで、次期大統領候補として人気の高い李氏を党の要職に据え、来年4月の総選挙勝利に向けた態勢を整える構えるものだと見られています。
韓国 イ首相退任 後任にチョン前国会議長起用へ #nhk_news https://t.co/WqUrDKqrnX
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年12月17日
NHKによると、後任となる丁氏は69歳。国会議員を6期務めた与党の重鎮で、「経済通」とされているほか、3年前に当時の朴槿恵大統領の弾劾決議案が採決された際は、国会議長として審議を取り仕切りました。丁氏は、国会の同意を得て正式に就任することになるということです。
一方、退任する李氏は親日派として知られる実力派。各種の世論調査で次期大統領の有力候補の1位にあげられており、来年4月の総選挙に「与党の顔」として立候補するという見方が広がるなど、今後の動向に注目が集まっています。
2017年5月の文政権発足とともに就任して以来、歴代の首相の中で在任期間が最も長くなってた李氏。今年10月には「即位礼正殿の儀」に参列するため日本を訪問して安倍総理大臣と会談し、文大統領の親書を手渡しました。
大統領と首相が両方存在する国は多々ありますが、その役割や力関係は国によって大きく異なります。フランスの場合は外交は大統領、内政は 首相というように役割が分担され、共に政治の実権を握っていますが、韓国やロシアは大統領が圧倒的な政治権力を持ち、首相は国務総理という位置づけで、大統領の補佐的な役割です。
今回の首相交代というニュースは、新しく丁氏が就任するというよりも、李氏が退任し次の総選挙に備えるということの方が意味合いとして大きそうです。
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