河井案里氏は悪党か。仁義なき菅vs岸田、広島代理戦争の深い闇

reizei20200121
 

先日掲載の「会社員だったら即刻クビ。議員続行の河井案里氏に国民は怒りの声」でもお伝えした通り、公選法違反の疑いで男性秘書が事情聴取を受けている河井参院議員については各所から厳しい声が上がっていますが、この案件、さまざまな「事情」が絡み合っているようです。米国在住の作家・冷泉彰彦さんが自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、その複雑な「背景」の読み解きを試みています。

広島の選挙スキャンダルとポスト安倍問題

簡単に言えば、本来は1日1万5,000円しか払ってはいけない「ウグイス嬢のギャラ」について、倍額の「3万円」を払ったということで、自民党の河井案里参院議員はスキャンダルの渦中にいるわけです。

1月20日には、議員事務所が公職選挙法違反容疑で広島地検の家宅捜索を受けたことが報じられました。この間に議員活動を行わずに雲隠れしていたり、適応障害という診断で入院していたなどということも含めて、改めてネットの世界は「税金泥棒」だとか、「どうして議員辞職しない」といった批判が集中しています。

ちなみに、河井議員は記者団の取材に応じ、「政治不信を招いていることを深くおわび申し上げたい。捜査の進展を見ながら、区切りがついたところでしっかり説明をさせてほしい」と強調したそうです。

もう一つ大きなエピソードとしては、この問題はダンナの河井克行衆議院議員にも飛び火しています。克行議員の方は、2019年9月の内閣改造で法務大臣になっていますが、この妻のスキャンダルのために2ヶ月でクビになっています。

この克行議員の方も、妻と一緒に雲隠れするなど報道陣を避けていましたが、20日には、国会に登院し、記者団の質問に答えています。と言ってもそんなに内容のあるコメントを出したわけではなく「刑事事件という性質上、捜査に支障を来してはならない。(説明は)控えたい」とか、「しっかりと国会議員としての責務を果たしていきたい」と述べています。こうした一連の行動について克行議員に対しても批判が強まっています。

この問題、詳しく見てゆくと2つの点が浮かび上がって来ます。

まず大前提としては、「悪人である案里候補が、悪い選挙違反をやった」ので、「その夫の克行議員も含めて悪い」だから、この2人を抹殺すればいいという話では「ない」ということです。

1点目は政治的な背景です。問題は、2019年7月の参院選に戻ります。

この参院選で案里議員は初当選したのですが、その選挙の構図がよく分かる記事が、まだ残っています。例えば、公示前の2019年5月12日の産経新聞(電子版)には次のような解説が出ています。

夏の参院選の広島選挙区(定数4=改選数2)をめぐり、自民党内で亀裂が深まっている。現職の溝手顕正氏(76)と新人の河井案里氏(45)の2人による票の奪い合いとなるためだ。広島は溝手氏を含め岸田文雄政調会長率いる岸田派(宏池会)国会議員6人(当時)を抱える「宏池会王国」。河井氏は菅義偉官房長官らとの近さを演出し、岸田、菅両氏の代理戦争の様相も呈している。

というのです。同じ記事では、この「代理戦争」について

「一票たりとも回すな」。溝手氏は周囲にこう訴え、陣営の引き締めを図っている。

とか、

岸田氏は、2人目の擁立は受け入れたものの、周囲には「おれは宏池会会長だ」と語り、河井氏の支援には消極的だ。

「溝手陣営にいじめられている」。河井陣営はこう強調し、独自の人脈を使って活路を見いだす構えだ。

などという刺激的な描写がされています。もっと恐ろしいのは、同じ記事ですが、

党広島県連HPに溝手氏のHPを表示するバナーはあるが河井氏はない。

県連は3月に支援を溝手氏に一本化することを決めた。

河井氏が県内の団体を訪れても門前払いされるケースがあるという。

などということが書いてあります。ところで、選挙のウグイス嬢というのは(それ自体が、選挙制度のバカバカしさとセクシズムの感じられるイヤなカルチャーですが)特殊技能であって、素人には難しいのだそうです。

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