遅すぎた武漢封鎖。新型肺炎パンデミックで死の淵に立つ世界経済

 

米国の貿易戦争と入国制限

トランプ大統領は、欧州が通商交渉を始めないなら、欧州車に25%関税を掛けるとダボス会議で述べた。米中通商交渉は1次合意で休戦状態になっているが、トランプ大統領は、今度は欧州との通商交渉を行うようである。

フランスは、米国企業にデジタル課税を掛ける方向で検討しているが、これに対しても対抗関税を米国は行い、フランスのワインなどに25%の関税を掛けると述べているが、一時休戦する方向で交渉をするとことで一致した。

これらに対して、ハーバー駐米ドイツ大使は、米国が自動車関税を掛けるなら、EUも米製品に同等の報復関税で対応する意向だと述べて、一歩も引かない姿勢を示した。EU全体でもデジタル課税を検討しているので、それも交渉対象になるようである。

ということで、とうとう、米欧の貿易戦争が始まったようである。

対中国では、米議会を中心に2020年2月より対米投資には審査が必要になり、特に懸念国の企業からの投資は、基本的に禁止になった。

また、NY市場に上場する企業に対しても、3年間企業情報の提供をしない企業の上場を廃止するという法案と、年金基金などの公的基金は、中国への投資を禁止する法案が、米議会で審議中になっている。

もし法案が成立すると、3年間情報の提供がない中国企業250社が、上場廃止になる可能性があるし、公的基金は中国への投資ができなくなる。米金融市場から中国企業の排除になる。

対して、中国は金融市場開放を行い、海外投資家らの中国企業投資を無制限にできる方向にして、そのため、米金融業界も準備をしている。米中の対応がどうなるのか、目が離せない。というような米中金融戦争が起きている。

また、トランプ大統領は、「(入国制限の対象国を)数か国追加する。われわれは無事でなければならない。わが国は安全でなければならない」と表明。対象国は7か国で、ナイジェリアやベラルーシ、エリトリア、キルギス、ミャンマー、スーダン、タンザニアで、特定の種類の査証(ビザ)発給を制限するという。しかし、追加される国の多くは、イスラム教徒が大半を占めておらず、この点で現在の入国禁止令の対象国とは異なり、一帯一路の関係で中国からの投資が多い諸国である。ここでも新しい戦争を始めるようである。

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