元国税が指南。確定申告で損しない「医療費控除」の手引きとは?

 

ビタミン剤、栄養ドリンクも医療費控除の対象になる

ビタミン剤や栄養ドリンクも、一定の条件を満たしていれば医療費控除の対象となります。一定の条件というのは、次の二つです。

  • 何かの体の不具合症状を改善するためのものであること
  • 医薬品であること

つまりは、どこか具合が悪いところがあって、それを改善するために飲む場合は可ということです。が、体がどこも悪くないけれど、健康増進のために飲んでおこう、という場合はダメだということです。ただし、これにも医者の処方せんなどは必要ありません。また、「身体の不調を治すためか」「健康増進か」という判断も、原則として自己申告が認められるということになります。

按摩、マッサージ、鍼灸も対象になる!

按摩、マッサージ、鍼灸などの代金も、一定の条件を満たせば、医療費控除の対象になります。条件とは、次の二つです。

  • 何かの体の不具合症状を改善するためのものであること
  • 公的な資格などを持つ整体師、鍼灸師などの施術であること

これも栄養ドリンクなどと同じように、「体がどこも悪くないけれど、とりあえずマッサージしてもらおう」というような場合はダメだということです。どこか具合が悪いところがあって、それを改善するために施術を受ける、というのが原則です。またどこの店でもいいというわけではなく、「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」「柔道整復師」のいずれかの国家資格を持つ人からの施術を受けた場合に限られます。

不妊治療

不妊治療にかかった費用も医療費控除の対象になります。不妊治療はけっこう高い費用が掛かる上に、社会保険が適用されないものが多いので、医療費控除はきっちりうけたいものです。人工授精・体外受精・顕微授精の治療費全般(卵子・精子の凍結保存料や採卵にかかる費用等)も対象となります。

ED治療費も、禁煙治療も対象となる!

ED治療に関してかかった費用も、医療費控除の対象となります。ED治療もけっこうなお金が必要ですが、医療費控除の申告をすれば若干でもそれが取り戻せるのです。また最近は、病院で禁煙治療も行われていますが、この禁煙治療にかかった費用も医療費控除の対象になります。また禁煙ガム等の禁煙補助用品も、医薬品であれば、医療費控除の対象になります。

温泉療養で税金を安くする

一定の条件を満たせば「温泉療養」も対象となります。しかも温泉施設の利用料だけではなく、温泉までの旅費や旅館の宿泊費なども、医療費控除の対象となります。ただ、これは必要最低限の費用のみであり、旅館での飲食費や、グリーン料金などは認められません。

一定の条件とは、次の二つです。

  • 医者が温泉療養を病気等の治療になると認めた場合(医者の証明書が必要)
  • 厚生労働省で認められた温泉療養施設を利用した場合

つまり、医者から温泉療養指示書というものをだしてもらう、その指示書に従って、特定の施設で療養をした場合に医療費控除の対象となるということです。厚生労働省が認めた温泉療養施設は、全国に21か所あります。詳しくは温泉利用型健康増進施設連絡会のホームページを見てください。

温泉利用型健康増進施設連絡会

スポーツ施設の利用料も対象となる

温泉療養費用と同じように、スポーツジムにいった費用も、一定の条件をクリアすれば医療費控除の対象とすることもできます。一定の条件とは次の三つです。

  • 高血圧症、高脂血症、糖尿病、虚血性心疾患等の疾病で、医師の運動処方せんに基づいて行われるものであること
  • 概ね週1回以上の頻度で、8週間以上の期間にわたって行われるものであること
  • 運動療法を行うに適した施設として厚生省の指定を受けた施設(「指定運動療法施設」)で行われるものであること

対象となる指定運動療法施設は、全国で215か所あります。詳しくは、日本健康スポーツ連盟のホームページを見てください。

公益財団法人 日本健康スポーツ連盟

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