病原体によって治療薬が異なってくる
細菌は非常に種類が多いですが、それらを包括的に倒すことができる抗生剤(抗菌剤、抗生物質など細かい分類はしない)が存在し、細菌を相手にする病気に対して人類の文明はかなり前進しました。
真菌は酵母やカビといった感じで有名なものは水虫の白癬菌などですが、体内で増える真菌もおり、そうした真菌の体の仕組みを逆手にとった抗真菌剤というものが存在します。なので、そういった水虫薬のおかげで足の平和も保たれているわけです。
抗真菌剤や抗生剤はざっくり広く効果を発揮するので狙い撃ちというものがあまり要りません。抗生剤、抗真菌剤は、ざっくり細菌、真菌が相手であればオールマイティにダメージを与えられる物理魔法的な感じです。
しかしウイルスはあまりに小さく、そして構造や増え方があまりに違いすぎるので、ウイルスをざっくり狙い撃ちして倒すという薬は存在しません。故に風邪には抗生剤を処方しないように…という話につながるわけです。
ウイルスと人類の戦い、そしてワクチン
ウイルスに対する薬は長年あまり無く、ワクチンで人類はヤバい病気に打ち勝ってきました。
そして近年、インフルエンザウイルスを標的としたオセルタミビルをはじめとして特定の病原性の高いウイルス狙い撃ちで薬が開発されるようになってきました。
これはウイルスの使っている特定のタンパク質を狙い撃ちしてウイルスの行動を邪魔するもので、反属性攻撃みたいなものです。炎タイプに氷をぶつけると「こうかは ばつぐんだ!」という感じです。
このように効果は高いのですが、属性攻撃と表現したのは、非常に狭い範囲でしか効果をもたないからでして、相手の属性を知らずに無闇にぶっ放しても良いわけではありません。「こうかが ない みたいだ……」になっちゃう。
よって、インフルエンザ用の薬が今回のコロナウイルスにも効くというわけではない点が大事。細菌よりもウイルスの同定検査は大事になってくることが多いわけです。
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