習近平の来日拒否なら「新型肺炎は日本の陰謀」の嘘が流れる理由

 

そもそも中国社会は、人間不信で政府や家族や隣人よりも流言飛語を信用する文化を持っています。そしてその人間不信から生まれた中国人のメンタリティやエトスが「疑心暗鬼」の心性です。

『韓非子』は、このような人々を管理するためには償(アメ)と罪(ムチ)が必要だと説いています。韓非はイタリアのマキャベリよりも2,000年近くも前に、このようなことを説いていました。

武漢の人々が新型コロナウイルスが蔓延するなかで、政府の公式見解よりもフェイクニュースを信用しているということは、『韓非子』の時代から中国社会は何も変わっていないということです。

さらに、中国の流言飛語は政府や党幹部から発しているものも少なくありません。アメリカのCIAが調査したところによると、中国のハッカー対策部隊が人民解放軍の内部にあり、フェイクニュースの配信センターが中国政府内にあるということを突き止めたそうです。

つまり、中国政府による組織的犯行ということが明らかにされたのです。中国人は政府のこうした内情は推して知るべしといったところで、政府がいくら「真実らしい」ことを言っても信じないのは当然です。国民が政府を信じないので、中国政府は外国に対してフェイクニュースを外交の武器として使うようになりました。台湾でも流言飛語は多く、そうした情報は「鳥龍消息(ウーロン情報)」と呼んで分別しています。

武漢発新型コロナウイルスについては、果たしてパンデミックになるか、あるいは流行に止まるのかまだ分かりませんが、世界中が不安に陥っているのは確かです。

中国は、今回の感染症はアメリカの陰謀だとして反米感情を煽っていますが、それがうまくいかなければ、今度は日本陰謀に転嫁するかもしれません。例えば、日本が習近平の訪日を拒否したりしたら、日本陰謀説のフェイクニュースを本気で流すことでしょう。民衆の不満を反日に向けるということは、これまでも中国で何度も繰り返されてきたことです。

中国から発した新型肺炎がアジア、欧米、アフリカ、イスラム世界へと拡散してパンデミックとなれば、中国のカタストロフィに発展するかもしれません。日本はここで政治のケジメとして中国を遮断するべきでしょう。

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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年2月26日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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