第3のビールの大増税。庶民の楽しみを奪う自民党政権の税制改悪

 

ビール、ガソリンなどは税にも消費税の二重課税

日本の場合、350mlの缶ビールはコンビニでだいだい220円くらいですが、このうち77円が税金なので、ビールメーカーには143円しか入りません。でも、あたしたち消費者は、この220円の缶ビールを1本買うと、さらに10%の消費税が上乗せされて242円になってしまうのです。1缶220円の内訳は、ビール本体が143円、ビール税が77円なのですから、本来ならば本体価格の143円にだけ消費税が課せられて、計234円になるはずです。それなのに、ビール税にまで消費税が課せられるという「税の二重取り」が平然と行なわれており、1本買うごとに8円も多く巻き上げられているのです。

これはガソリンや軽油も同じです。ガソリンには1リッター当たり約57円、軽油には約34円の複数の税金が課せられていますが、この税金を含んだ小売価格に、さらに消費税が上乗せされているのです。今は少し安くなってレギュラーガソリンが1リッター130円くらいなので、10リッター給油したら1300円で、これに消費税10%が上乗せされて1430円になります。でも、ガソリンの本体価格は10リッター730円ですから、本来の消費税は73円なのです。それなのに、実際には130円、つまり57円も多く巻き上げられているのです。そして、これは10リッターの話ですから、20リッターなら114円、30リッターなら171円と、どんどん「過払い金」が増えて行くのです。

話をビールに戻しますが、350mlの缶ビールが220円くらいだとすると、発泡酒が165円くらい、第3のビールが145円くらいになります。ザックリ説明すると、これらは原材料の中の麦芽の比率によって分けられています。麦芽が67%以上だとビール、67%未満だと発泡酒、0%だと第3のビールになります。そして、350mlの缶ビール1缶あたりの酒税を比較すると、ビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円になります。つまり、これらの商品の価格の違いは、ほとんどが税率の違いによるものなのです。

そもそも発泡酒が開発されたのは、日本のビール税があまりにも高いために、ビールのカテゴリーに該当しないように麦芽の比率を低くしたのが始まりでした。当初の発泡酒は麦芽50%以上の商品が多く、味もビールに近かったので、多くの人がビールから発泡酒に切り替えました。すると、ビールの販売数が減り、国に入るビール税も減ってしまったのです。そこで、当時の橋本龍太郎首相は、酒税法を改定して、麦芽比率が50%以上の発泡酒の税率をビールと同じに引き上げたのです。

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