第3のビールの大増税。庶民の楽しみを奪う自民党政権の税制改悪

 

相次ぐ税改正で企業努力はビールの泡ならぬ水の泡に

この「カネ!カネ!カネ!」のあさましい自民党の手口によって、少しでも安い価格で消費者に美味しいものを提供しようとがんばった各メーカーの企業努力が、ビールの泡ならぬ水の泡になってしまいました。でも、メーカーだって負けてはいません。今度は麦芽比率が50%未満で美味しい発泡酒を開発しました。すると、今度は当時の小泉純一郎首相が、発泡酒の酒税を「50%以上」「50%未満25%以上」「25%未満」の3段階に分け、大半の発泡酒が含まれる「50%未満25%以上」の酒税を引き上げたのです。

そのため、先ほどは麦芽の比率が「67%未満だと発泡酒」と書きましたが、実際には、現在販売されているほぼすべての発泡酒が「25%未満」なのです。しかし、ここまで虐められて来たビールメーカーは、わずかな麦芽比率でも美味しい発泡酒を開発することに成功し、さらには、麦芽0%でも美味しい第3のビールまで開発したのです。麦芽0%なら発泡酒よりも酒税が低くなり、そのぶん消費者に安く提供できます。こうした流れから、自宅でビールを飲んでいた人たちの多くが、1本目はビール、2本目以降は発泡酒か第3のビールという飲み方をするようになりました。

でも、これまでの自民党の手口からも分かるように、1円でも多く税金を巻き上げたい現在の安倍政権は、またまた庶民の味方である発泡酒と第3のビールをターゲットにした酒税法改正案を数の力で採決し、それが今年の10月から施行されるのです。どんな改定かと言うと、現在、350mlの缶でビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円の酒税を「すべて55円に一本化」するのです。ビールは22円も低くなりますが、発泡酒と第3のビールは増税になります。

これは、一気に一本化するのではなく、段階的に一本化して行きます。まずは今年の10月に、ビールの税を7円引き下げて70円にして、発泡酒は47円のまま据え置きで、第3のビールの税を10円引き上げて38円にします。それから、3年後の2023年10月に、またビールを7円下げて63円にして、第3のビールを9円引き上げて47円にします。これで第3のビールは発泡酒と同じ税率になります。税率が同じになったため、この時点で第3のビールというカテゴリーは消滅し、今、第3のビールとして売られている商品は、すべて発泡酒に変わります。そして、さらに3年後の2026年10月に、ビールを8円下げて55円にして、発泡酒と第3のビールを8円引き上げて55円にして、ここで一本化が完成という段取りなのです。

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