美人アナリストが解説。ドラッグストア業界的にコロナは特需か?

 

ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスは2月~3月、新型コロナウイルスの影響でマスクをはじめ医薬品や日用品などの売れ行きが好調です。一方、インバウンドの売上高が大きいマツモトキヨシの2月度の既存店売上高は8.0%増にとどまっています。新型コロナウイルスによる出入国制限等の影響により、免税全店の売上高が50%強減少しています。

特需・打撃ともに、コロナの影響を受けている波乱のドラッグストア業界はこの先どうなるのでしょうか?各ドラッグストアの特徴を見ていきましょう。

調剤に特徴を持つ「ウエルシア」

ウエルシアはイオンから50%超えの出資を受けている、イオン系のドラッグストアです。同社の特徴は調剤の売上が17%、医薬品が21%、食品が22%の割合を占めており、食品を強みとしながら、調剤を扱う点が特徴です。肉、お酒、食品の品揃えは、スーパーやコンビニエンスストアと遜色はありません。

しかし、スーパーとコンビニとの違いは、市販の医薬品だけでなく病院の処方箋も受け付ける調剤併設薬局がウエルシアにあることです。業界再編前の現在、1位であるウエルシアですが、マツモトキヨシとココカラファインの経営統合により、売上高に差を付けられることになります。当然、ウエルシアも次なるM&Aの戦略を考えていることが予想されるので、今後の動向に注目です。

馬渕図①_ウエルシア

食品の割合が多い「ツルハホールディングス」

北海道を地盤とするツルハホールディングスは、巧みなM&Aにより南下し、北海道から九州まで全国に2082店舗(2019年5月期末時点)を展開しています。セグメント別の売上高の割合を見てみると、日用雑貨>食品>医薬品>化粧品 とバランス良いポートフォリオになっています。

今後の方針として、ドラッグストアや調剤薬局以外の食品スーパーをM&Aする可能性もあるとしています。「良い立地に店舗を展開する食品スーパーを買収する」可能性にも言及していることから、生鮮食品と総菜を扱うドラッグストアの可能性もあるかもしれません。ツルハホールディングスの売上高のセグメント割合を見ても、日用雑貨や食品の存在感が高く、今後、ツルハホールディングスはより一層、食品部門を強化した食品特化型の特色を持つドラッグストアの道を歩む可能性があります。巧みなM&Aを得意とする同社ですが、こちらも、次なるM&A先が気になります。

馬渕図②_ツルハ

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