乗り越えられない壁はない。コロナ後の変化に企業が負けない方法

shutterstock_467039444
 

働き方や消費行動をはじめ、わたしたちの生活を大きく変えてしまった新型コロナウイルス。その収束後に待っているのは、どのような世界なのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、コロナ後に起こる変化を予測した上で、その乗り越え方を考察しています。

コロナ後への準備

メディアではコロナの話題ばかりです。古くはペストやコレラの流行、100年前のスペイン風邪に匹敵する事態ですから仕方ありませんね。

研究によれば、ウイルス感染が契機で世の中が変化したとも言われます。今回のコロナも変化をもたらすのでしょうか。私なりに考えてみます。

コロナ後の変化

新型コロナウイルスの力には、ものすごいものがあります。あなたのコロナ対策は十分ですか。まず考えなければならないのが、従業員のことです。そのためには、資金を十分に準備しておかなくてはなりません。きっと、あなたならその対策はされていることでしょう。

それはともかく、事態が収束した後には、おそらく世界のあり方が変わっていくことでしょう。社会の変化、経済の変化、組織の変化、さまざまな変化が生じると思います。そんな中で、業界の方からコロナ感染収束後に備えてスポーツ業界は何をしなければならないのかという問いかけをいただきました。

正直申し上げて、コロナ後の変化を予測するのは大変むつかしいことです。評論家の中には、変化をしてもほんのわずかで、多くのことは元の姿に戻るだろうという方もいます。しかし、そのスピードが速いか遅いかは別にして、必ず変化をしていくだろうというのが私の考えです。

では、どんな変化が訪れると考えているのでしょうか。もちろん、単なる予測に過ぎませんが、大きく3つの変化があると考えます。

それは、

  • IT化が急激に加速する
  • コロナ感染を警戒する風潮が続く
  • グローバル化の見直しがされる

ということです。簡単に説明しますと、「IT化が急激に加速する」というのは、例えば、テレワークの増加、オンライン会議やオンライン授業の増加、業務のデジタル化促進、EC販売の急増、行政のデジタル化、といったことが変化として考えられます。

「コロナ感染を警戒する風潮が続く」というのは、有効なワクチンが開発されるまではコロナ感染を恐れながら行動をする人たちが多いということです。しかし、その一方で人々は今まで以上につながりを求めるでしょう。人間は「集う」ことを求める生き物だからです。そして、どこかの集団に属したい、一緒に何かをしたいとも思います。警戒をしつつも、より強い関係を求めるように変化するでしょう。

「グローバル化の見直しがされる」というのは、世界に広がっているグローバル化の姿が変化をするということです。今回のパンデミックは、グローバル化によってもたらされたと言っていいでしょう。そして、グローバル化によるサプライチェーンが寸断されました。一瞬にして世界の動きが止まってしまったのは驚きです。おそらくコロナ感染が終息するには、何年もかかることでしょう。その間、世界は企業だけでなくさまざまな分野で新しいグローバル化を模索していくに違いありません。

こうした変化以外に、まだまだ金融や企業経営など経済的には大きな変化はあると思いますが、社会的にはこの3つの変化が起こると予測しました。

スポーツショップにとっての変化

そして、この3つの変化は、産業や組織(企業、教育、医療、行政など)の中でそれぞれ具体的な形で表れていくことでしょう。そこで、スポーツショップにとっての具体的変化を考えてみました。私は、今のところ5つの変化を予測しています。それは、

  • 消費者の買い方の変化
  • 部活の変化
  • トップアスリートのデジタル化拡大
  • 地域スポーツ活動の活発化
  • メーカーの生産体制の変化

です。これらも簡単に説明しましょう。「消費者の買い方の変化」は、「IT化」によるものです。例えば、お客様からオンラインでの相談が増えるでしょう。スポーツのレッスンもオンラインでの提供が盛んになるはずです。また、スポーツ用品もECショップでの販売量が増えていきます。ただし、大手のECモールではなく、スポーツ用品専門のECサイトが出現するかもしれません。全国のスポーツ店が参加できるマルシェのようなものです。

「部活の変化」も、「IT化」がもたらします。例えば、これもオンラインでの指導が増えていくでしょう。実際の部活の時間も短くなり、効率的になるかもしれません。集合練習は必要ですが、限られたスケジュールになるかも。

「トップアスリートのデジタル化拡大」も「IT化」です。今でも選手のコンディション管理やトラッキングデータの分析がされていますが、さらにその精度が上がるでしょう。そのノウハウが、いずれ一般のアスリートにも活用されます。

「地域スポーツ活動の活発化」は、「コロナ感染警戒の風潮」によるものです。例えば、テレワークの増加によって、地域にいる時間が増えます。すると、つながりを地域に求める人も増えるでしょう。もしかすると、草野球、草サッカー、ママさんバレーなどの活動が今以上に活発になることが考えられます。地域のスポーツ少年団に関わる大人が増えるかもしれません。

「メーカーの生産体制の変化」は、「グローバル化」からです。大手メーカーさんは、商品を中国や東南アジアで作っています。コロナでサプライチェーンが崩れました。生産で国内回帰をするメーカーさんも出るかもしれません。さらに、コストを抑えるために大量生産を続けていました。そのため必要量以上に商品を生産してしまい、市場で値崩れを起こすことにつながったのです。国内生産をすれば、商品量をコントロールできます。当然、マーケティング戦略も違ってくるでしょう。

以上、勝手にこんな変化を考えてみました。

print
いま読まれてます

  • 乗り越えられない壁はない。コロナ後の変化に企業が負けない方法
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け