メルケル首相のスピーチが心に響き安倍首相の演説は空虚に響く訳

 

日本では非常事態宣言が延長されることを受け、安倍晋三首相が5月4日の記者会見で、国民への協力を呼び掛けたが、どうしても作文の読み上げでメッセージが伝わらず、国民の共感を得られないのは残念だ。

特に中小企業向けへの理解を示したこのフレーズは白々しさを感じてしまう。「感染症の影響が長引く中で、わが国の雇用の7割を支える中小・小規模事業者の皆さんが現在、休業などによって売り上げがゼロになるような、これまでになく厳しい経営環境に置かれている。その苦しみは痛いほど分かっています」。

「分かっています」?おそらく安倍首相は分かっていないだろう。経営環境の激変による多くの不安の一つひとつを誰も「分かる」はずはない。絶望にある人への「分かっています」は欺瞞でしかない。つまりは「分かっていない」のを露呈したようなものだが、本人に自覚なないであろう。分からないから、分かりあおうとするという私たちの原則を考え、この危機の中でコミュニケーションをしてほしいと思う。

メルケル首相の演説はこちら
Merkels Corona-Ansprache im Wortlaut: „Nur Abstand ist der Ausdruck von Fürsorge“ | Kölner Stadt-Anzeiger

image by: Elpisterra / shutterstock

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