検察庁法改正問題、見出しだけでなく記事まで政府を擁護する読売

 

法曹界が反発?

【読売】は4面政治面のベタ記事と28面社会面。見出しから。

(4面)
検察「定年延長」野党が攻勢
ツイッターで抗議拡大「火事場泥棒」

(28面)
検察定年 議論が過熱
特例延長に法曹界反発

●uttiiの眼

例によって、驚くほど扱いが小さい。読者のほとんどは気が付かないくらいではないかと思われる。しかも、4面記事の見出しに「検察「定年延長」野党が攻勢」とあるように、野党による政府攻撃の材料だという観点からの記事にしてしまっている。2行目になれば「ツイッターで抗議拡大」とあるけれど、1行目で、「また野党が批判のための批判を繰り返しているのだな」という印象が固まってしまう。固まらせたいのだろうが…。

この地合は28面社会面にも引き継がれていて、こちらは「検察定年 議論が過熱」となっている。「過熱」は必要以上に熱を帯びること。無駄なエネルギーが費消されているという印象が浮かぶ。ここは2行目も同様の角度からの印象操作が効いていて、特例延長に反対しているのは「法曹界」とみなされている。反対者は狭い範囲の利害の代弁者に過ぎないという含意だ。政権擁護の用語法。

読売の場合、記事の中身は比較的まともで、編集幹部がチェックする見出しにジャーナリズムらしからぬ政権擁護の姿勢が滲むことが多いのだが、きょうに関しては記事もひどい。

この法改正に関する政府側の説明を長々と文字化して、さも正当性があるかのような体裁を繕っている。例えば、「法務省は「少子高齢化が進む中、知識や経験が豊富な人材を最大限いかすには他の国家公務員と同様に検察官も定年引き上げが必要だ」と改正案の意義を強調しており、政府は今国会での成立を見込む」と、臆面もない。

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