在米作家が大胆提言。9月入学をやるなら「2年半で卒業」を目指せ

 

2つ目の動きというのは、ここへ来て「副大統領候補の候補」として取り沙汰される顔ぶれが、どんどん小粒になって来ていることです。どうやら、予備選のTV討論で司会者にハプニング的に言質を取られたことから「女性を副大統領にする」というのは、もう既定路線になっているようで、最初は元大統領候補のビッグネームが挙がっていました。ハリス、クロブチャー、ウォーレンといった面々です。

ですが、最近はもっと小粒な「知事、州議会議員」などから黒人であったり、中西部に強そうだったりという人物が取り沙汰されることが多くなって来ました。これは、バイデン側近の間に「大物を副大統領候補にすると母屋を乗っ取られる」という警戒感があるのかもしれません。

3番目は、ここへ来ての「オバマ夫妻の存在感」が半端ない感じになってきていることです。ミシェルに関しては、Netflixのドキュメンタリーが猛烈な視聴数になっているようですし、バラク・オバマは複数の「ヴァーチャル卒業式」で力の入ったスピーチをしまくっています。

建前は、2人ともバイデンを支持して、バイデンが当選するように頑張っているということなのでしょうが、どう考えても現在のバイデンはカリスマがほとんど「カスカス」なのに対して、オバマ夫妻に関しては、今でも光り輝いている感じなのです。

一部にはミシェルを大統領へという待望論もあるわけですが、これはやや非現実的、という中で、どうして「今、オバマ夫妻なのか?」というのは、どう考えても謎という感じがします。民主党のどこか深いところに、やはり「バイデンは無理」というモメンタムがあって、それが不気味な形でうごめいている、そんな印象が拭えません。

よく考えてみると、党大会は8月でまだ「3ヶ月も先」です。コロナ時代における3ヶ月というのは、気が遠くなるぐらい先の話であるわけで、この間にはほとんど何でもアリということになります。

そこで、私なりの大胆な見立てとしては、「党大会の直前に、健康問題を理由にバイデンは辞退」そこで「コンテステッド・コンベンション」つまり、党大会の席上(と言ってもヴァーチャルですが)で、全く白紙から正副大統領候補が選出される、そんな可能性を感じています。

image by: Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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