世界的エンジニアがクリアなZoom会議のために準備した2つのこと

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回線速度が速く、電波が強くても音飛びしてしまうZoom会議にZoom飲み。話が聞き取れなかったり、「もう1回話して」と言われたりでイライラしていませんか?メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんは、堀江貴文さんのZoomイベントに出演した際、音声の問題が起きないように2つのことを準備したと教えてくれます。今日からリモート会議やリモート飲みが格段に快適になる方法とは?

コロナ後の世界:Zoom会議

先週、堀江貴文さんのオンラインイベント「スナック堀江万博」にゲストとして出演させていただきました。堀江さんとは過去に何ども対談しているので、気楽に話せました。堀江さんはとても聞き上手な上に博識なので、良い対談になったと思います。

ちなみに、この対談はZoomで行いましたが、Zoomで起こりうる細かな問題は過去に何度も経験しているので、丁寧に準備をしておきました。

まず第一に、パソコン(MacBook)はWiFiではなく、有線(イサネットケーブル)でルータに繋いでおきました。WiFiは電波が強くてもどうしてもノイズがあるため、時々パケットロスがおき、音が途切れてしまうのです。

NetflixやYoutubeのようなストリーミング放送の場合、多少のパケットロスがあってもバッファを十分に(数秒間)とっているため、多少のパケットロスがあってもリカバリーが可能ですが、ビデオ会議の場合、あまりバッファを長くとると遅延が生じて話しにくくなるため、バッファは最低限に抑えてあります。そのため、少しでもパケットロスがあると、音が途切れたり音飛びがしてしまうのです。

もう一つしたことは、パソコンのスピーカーとマイクは使わずにAirPods Proを使ったことです。最近のソフトウェアにはエコー(相手の声が、こちらのマイクを通して、時間遅れで相手に届いてしまうこと)を防止するエコー・キャンセラーがついてはいますが、状況によってはエコーが起きてしまうことがあるので、それを避けるためです。

意外と知らない人が多いのですが、この2つをやるだけでビデオ会議のクオリティは格段に上がります。その結果だと思いますが、対談中は一度も音が途切れることもなく、スムーズに会話が出来ました。

ちなみに、私の次の対談相手は、冒頭から接続が悪く、何分間か無駄にしていました。画面の状況から見ると、スマートフォンでテザリング(通信キャリアのネットワークにスマートフォン経由で接続すること)をしているようでしたが、これは最悪です。スマホとパソコンの間がWiFiである上に、通信ネットワークそのものに遅延とパケットロスがあるからです。テレビ会議には最悪のネットワーク環境と言えます。

それに加え、ネットワーク環境が良いと、それをソフトウェアが認識して、遅延を減らしてくれるケースもあるので、なおさら会話のクオリティが良くなります。

小さなことのように思えますが、ビデオ会議をする時の、音切れ・音飛び・遅延は会話にストレスを加え、最悪な場合、相手に嫌なイメージを持ってしまう・与えてしまうので、とても重要です。次にZoom会議をやるときには、(1)有線でインターネットに繋ぐ、(2)ヘッドホンを使う、の2つを是非とも試してみてください。

image by:Tada Images / Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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