既にコロナ第2波か?それでも国が60歳以上に外出自粛を求めぬ訳

 

コロナ感染症の第2波はどうなるか?

7月10日には、東京で243人の新規感染者が出ている。全国でも400人以上の感染者が出て、確実に感染が拡大している。勿論、夜の街の関連が多くなっているが、ホストからホステスに移り、そのホステスが、夜の街に来るサラリーマンなどに移し、そのサラリーマンが、職場の同僚や家族に移しているようである。徐々に広がってきた。

このため、徐々に陽性率が上がり、相談件数も増加傾向にある。20代30代が多いが、徐々に40代50代の患者数も多くなってきている。

西浦博教授によると、このまま制限を掛けないと、最大10万人の死亡者が出るという予測のようだ。日本の事情を反映した低い数値にしているというが、恐ろしいことを言う。

PCR検査の拡大は、東京で日に2,500件、全体で日に2万件まで増加したが、PCR検査では、経団連の中西会長が日に20万件までPCR検査可能数を増やしてほしいと要望したが、厚労省はその要求を拒否している。

病状のない人への検査は必要がないというのが厚労省の見解であるが、海外への渡航条件に入国前にPCR検査で陰性を証明することとあり、これを厚労省は認めないという。このため、会社独自での検査を行う必要が出ている。この需要に関連企業が参入している。

もう1つが、コロナ治療薬の承認が遅れていることである。アビガンは、効果が確認できないと藤田医大が発表した。

しかし、英国などでは、ステロイド系薬である「デキサメタゾン」や「シクレソニド」(商品名オルベスコ)が効果ありとしている。この2つの薬は安価であり、抗ウイルス薬「レムデシビル」は1人分35万円もするが、その薬と同程度に効果がある。

サイトカインストームを起こした重症者には、IL6の暴走を止める関節リウマチ治療薬「アクテムラ」が効くようであるが、その承認も早くしてほしい。米FDAでは、コロナ関連の薬を緊急承認しているが、それと同じような仕組みが日本にも必要であろう。

このように前回このコラムで話題にした時点では、いつできるかわからないワクチンを待つまでは、安い治療薬とPCR検査を拡充して、コロナ感染しても軽症段階での治療が確立していれば問題がないとした。しかし、残念ながら、まだ確立していない。1ケ月以上も経っているが、実現できていないようである。

このため、予防を重点的にするしかない。重点的に夜の街対策を打ち、接待を伴う飲食店は、全従業員に対して、月1回のPCR検査を義務付けることが必要だ。昔の赤線で娼婦に週1回の検査を義務付けたことと同様な処置でもある。

事実、都医師会会長は、2週間繁華街での飲食を自粛してほしいと都民に呼び掛けた。軽症者用ホテルの契約は6月末までで、ホテルに軽症者が収容できずに、病院に収容したことで、空きベット数が少なくなっている。都は、3,000床を確保するよう病院に依頼しているが、コロナ患者を受け入れた病院は、大幅な赤字になっている。このため、依頼するには、それ相当な見返りが必要になっている。

もう1つ、のどから気管支、肺のルートでの感染は、軽症で発見されれば、ステロイド系薬などが有効であり、東京医科歯科の医者は、積極的に投与して軽症者を重症化させないようにしていると言う。

これでこのルートの治療法が確立しているが、鼻から脳に行くルートでの感染には、悪くすると脳障害を起こすことになり、後遺症なども持続してしまう。味覚障害などもこのルートから脳にウィルスが侵入して起こるようである。このルートの治療法の確立が必要な気がする。

この状態で、経済活動を正常化して、人の移動を活発化させると、再度、第2波の感染爆発を起こす可能性が高まる。重症者も出てくる。60歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ人たちは、外出自粛が再度、必要になる。

また、治療方法が確立されていない鼻から脳へのルートで感染するように、コロナウィルスの変異が起きた場合、再度、多数の死者を出すことになりかねない。要注意である。

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