子供時代に虫と遊ばず、何時遊ぶんだ。夏休みこそ「昆虫体験」を

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新型コロナウイルスの影響による休校が長引いたため、各地で期間短縮の動きが広がってはいるものの、それでも子供たちにとって楽しみなのが夏休み。親としてはいつも以上に楽しい思い出を作ってあげたいものですよね。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、時間にゆとりのある夏休みこそ「昆虫体験させるべし」として、その具体的方法や効用を紹介しています。

子どものとき虫と遊ばないで、いつ遊ぶのか?

いつもより時間にゆとりのある夏休み、ぜひ子どもたちにやってもらいたいものがあります。それは昆虫体験です。

私の家の近くにあるホームセンターでもカブトムシとクワガタムシがたくさん売られていましたが、夏休み直前の土日にすべて売り切れてしまいました。もちろん、買った虫で遊んだり飼ったりするのもいい体験ですから、それもどんどんやってほしいと思います。でも、本当は、虫を探したり捕まえたりすることも、ぜひやってもらいたいと思います。

というのも、それこそ自然体験そのものだからです。しかも、このほうがいろいろな虫たちに出会えます。カブトムシやクワガタムシはおもしろい虫ですが、それしか知らないというのはさみしい話です。

一番いいのは、親子で里山や森林公園などに行ってみることです。捕虫網や虫かごなどの他にも、虫眼鏡や昆虫図鑑も持って行くといいでしょう。森林公園なら涼しいしマイナスイオンもいっぱいなので、夏の野外活動に慣れていない子どもでも可能です。

経験のない子には、親が虫の探し方を手ほどきしてやるといいでしょう。自分で自信のない人は、本やネットで予習していけばだいじょうぶです。子どもよりほんの少し多く知っていれば、それを教えてやることができます。もしかしたら、子どもから尊敬のまなざしが向けられるかも知れません。あまり知ったかぶりして、あとでバレても困りますが。経験豊かなお父さんだったら、その点だいじょうぶでしょう。

虫の食べた跡のある木の葉を探したり、葉を裏返してみたり、倒木や朽ち木の下を掘ってみたりすること自体がとてもいい自然体験です。自然の中で、見たこともないおもしろい虫を見つけたときの喜びは、格別です。大人も子どもも興奮間違いなしです。じっくり観察していると、自然の不思議さを感じずにはいられません。「こんな生き物がいるのか!」「なんておもしろいんだ!」「へんてこな形だなあ!」「うまくできてるなあ!」「へんな動きだなあ!」「なんてきれいなんだ!」「不思議だな~!」

もちろん、じっと見ているだけでもいいのです。でも、持ち帰って飼えるだけ飼ってみるのもいい体験です。虫かごに入れるときは、その虫がいたところの土や葉も一緒に入れるといいことも教えてやりましょう。それがその虫の餌であり住みよい環境でもあるからです。こういう体験は、店で買った虫を飼うだけでは得られないものです。持ち帰った虫が死んでしまっても、「しっかり面倒みないからよ」とか「だから言ったでしょ」などと余分なことを言わないでください。一緒にお墓をつくって、お弔いをしてやればいいのです。

ところで、その気さえあれば、自宅でもいろいろな虫を捕まえたり観察したりすることはできます。たとえば、夜、庭に白い布を張って、強力な懐中電灯や車のライトなどで照らすのです。

これは、いろいろな虫を集めるのに適しています。これを里山の雑木林の近くでやれば、カブトムシやクワガタムシなどが来る可能性もあります。

また、虫の好きな物をお皿に入れて庭やベランダに置くのも手軽でいい方法です。たとえば、ブドウ、バナナ、蜂蜜、黒蜜、ヨーグルトなどです。カブトムシには、ワインに漬けたバナナがいいそうです。

近ごろは、ムシキングというカードゲームがきっかけで、甲虫に興味を持つ子が増えたといわれています。大事なのは、それをどうやっていい方に広げていくかです。ぜひ、実際の本物体験に結びつけて欲しいと思います。そして、それが甲虫だけでなくほかの虫にも広がるといいと思います。

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