広島県が生んだお好み焼きソースの定番、オタフクソース。今やアジアや米国にまでその勢力圏を広げていますが、同社がファンを獲得するために打ち続けている、地道とも言える戦略がありました。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、広告やメディアに頼らない、オタフクソースの「刷り込み戦略」を紹介しています。
“刷り込み戦略”で、生涯ファンを創り出すオタフクソース
子どもの心を掴めば、親がついて来る。つまり、子どもにアピールして気に入られたら、子どもは親にねだって買ってもらおうとする、ということです。
この手法で成功しているのが、「オタフクソース」です。年間100カ所もの幼稚園をまわり、お好み焼きイベントを行っているのです。子どもたちに手伝ってもらい、お好み焼きを作り、みんなで食べるのです。子どもたちが楽しいのはもちろん、幼稚園にとっても無料でイベントができるので、非常に助かります。
このイベントで子どもたちの心に残るのは、楽しい想い出と「オタフクソース」のイメージです。楽しいことは家でもやりたくなり、親に「やりたい、やりたい!」とせがみます。そこで、家庭で作ろうとすると、当然、お好み焼きソースは「オタフク」でないと、子どもたちが納得しません。
これが、狙いです。
さらに、味の好みは子どもの頃に決まるので、幼稚園で経験した「オタフク」の味が好きなまま、大人になっていくのです。いわゆる、“刷り込み”です。生涯を通じた「オタフク」ファンの誕生です。
他にも、小中高校生を対象とした「工場見学」や親子・グループ向けの「お好み焼き体験教室」なども積極的に行っています。さらに、お好み焼き体験と一緒に、他の料理も楽しんでもらう、「パーティプラン」も提供しています。
このように、さまざまな角度から、オタフクソースとの接点を創り出すことで、お好み焼きと言えば「オタフク」、というイメージを刷り込んでいるのです。
オタフクファンが多いのは、広告やメディアに頼らない、こうした地道な努力の賜物だと言えます。
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