自分に非がないトラブルをどこで「手放す」かで店の評価が決まる

shutterstock_1321649690
 

どんな仕事でもミスはつきもの。例えば自店でお買い上げいただいた商品を発送した際、宅配業者のミスがありお客様からクレームが入るなど、自分たちに非がなくても起きてしまうトラブルは少なからずあるものです。そんな事態に遭遇した時、どう対処すべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「トラブルを手放すタイミング」についてレクチャーしています。

どこで手放すか

あるお店での事例です。

その店で買い物をされたお客様が、配送をお願いされていたのですが、予定していた日にちよりも1日前に商品が届いたそうです。その商品はプレゼント用だったのですが、プレゼントを贈る相手の方に、予定よりも1日早く届いてしまったのですね。

お客様はご希望があってのことだったので、当然クレームになりました。お店にお怒りの電話が入ったのです。

しかし実は、店側の不備ではなくて、配送業者の不備だったことがわかります。店側はちゃんと予定通りに配送手配をしていて、配送業者が間違ってしまって、1日早く着いてしまったということです。

もちろん店側は悪くない話なのですが、しかしここでさらなる問題が起こります。電話を受けた販売員の方が、「業者に確認してください」と手放してしまったのです。お客様は一度は電話を切られたというものの、「なぜ自分が?」と違和感を感じて、結局また店に電話をし、クレームの火種が大きくなってしまいました。

さて、あなたがこの販売員だったとしたら、どうすべきだと考えるでしょうか?

この事例の場合、お客様はすでに残念な思いをされています。プレゼントをする予定日よりも早くついてしまったことで、予定していたことができなくなったのかもしれません。ですが、配送業者のミスでもあり、店側としての不手際でもありません。

ただ、やはりこの場合は、お客様ではなく、店側が配送業者に確認をすることが望ましかったように思います。その上で、なぜそんなトラブルが発生したのかお客様に伝える、もしくは配送業者からお客様に連絡をしてもらい謝罪を入れてもらうという流れができたはずです。そうすることで、すでに残念な思いをしてしまっているお客様に、さらに余計な手間をかけさせる必要も無くなります。

何が言いたいかというと、つまりは、手放すタイミングが違っていたのではないかということです。

販売員(というかお店)は、お客様と接する中でどうしてもトラブルが発生してしまいます。それはいくら自分たちが気をつけていても、何かしらの要因で起こってしまうことです。

そのトラブルを未然に防ぐことも当然大事なことではありますが、起こってしまったことにどう対応していくかも求められます。その時、もし自分たちに非がなかったとしてもお客様に面倒や手間をかけさせてしまうようなことをしていると、お客様はさらに残念な思いをしてしまうこともままあります。そうしないためには、どのタイミングで手放すべきかの判断がとても重要なわけです。

自らに非がないことでトラブルが発生したら、どのタイミングでどう手放すべきなのか。こうした事例から学んで、実際に何かが起こった時に間違わないようにしたいものです。

今日の質問です。

  • 自分たちに非のないトラブルが発生したことはありますか?
  • そのトラブルをどのタイミングで手放せばお客様は余計な手間や思いをしなくて済みますか?

image by: Shutterstock.com

坂本りゅういちこの著者の記事一覧

様々な接客販売業で日本一の売上を獲得した販売員がお伝えする販売力向上の秘訣!
「もっと売れる販売力を身につけたい……」「スタッフへの指導について勉強したい……」など、接客販売力を向上させるために必要な事を毎日無料で配信中。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 販売力向上講座メールマガジン 』

【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

print
いま読まれてます

  • 自分に非がないトラブルをどこで「手放す」かで店の評価が決まる
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け