キャリア向け、SIMフリー市場向けのスマホを展開する中国メーカー「OPPO」が新製品を発表。これまでの指原莉乃さんに加え、木梨憲武さんを起用した新CMによりさらなる認知度アップを目指しています。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、指原さん起用後の広告戦略は成功していると評価。他の中国メーカーがネットでのプロモーションにとどまる中、OPPOの存在感は増していくだろうと予測しています。
「リノとノリ」OPPOがCMキャラクターに指原莉乃に加えて木梨憲武を起用
7月21日、OPPOはオンラインで新製品&新CM発表会を開催。すでに発表済みのau向け「Find X2 Pro」、ソフトバンク向け「Reno3 5G」、SIMフリー市場向け「Reno3 A」を紹介するとともに、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどのIoT新製品を発表した。
また、新CMとしては、昨年、起用された指原莉乃さんに加え、木梨憲武さんも参加することが明らかになった。これまで製品名の「Reno」と指原莉乃さんの「リノ」をかけたCMであったが、これからはさらに木梨憲武さんの「ノリ」もかけるなど、コピーライターがドヤ顔していそうなCMがすでに放映されている。
この1年を振り返ると、指原莉乃さんを起用した効果は相当、大きかったのではないか。1年前、一般的には無名だったがOPPOが、指原莉乃さんのおかげで認知度が相当、上がった。SNS上においても、普段、iPhoneを使っている指原莉乃さんが「念願の仕事用のスマホを手に入れた」と語って、RenoAを使い始めたのは本当に巧みであった。
海外などでは、Androidスマホのイメージキャラクターに就任した有名人が、SNSでiPhoneを使っているのがバレて炎上することが多々あったが、指原莉乃さんは「プライベートのiPhoneとは別のお仕事用スマホ」とあらかじめ宣言することで、炎上を回避している。この辺りの立ち振る舞いは本当に素晴らしい。
発表会に登壇する有名人が製品について語っている時、メディアとしては「それ、本当に使っているのか。台本を読んでいるだけではないか」と突っこみたくなる人が多いのだが、指原莉乃さんの場合は説得力があるから不思議だ。
一方、ノリさんこと木梨憲武さんが今後、どのようにOPPOを盛り上げてくれるかはかなり興味深いところだ。CM発表会では、ワイヤレスイヤホンを手で飛ばし、口の中に入れるという「悪ノリ」を見せていた。新製品を口の中に入れるという、これまでの発表会にもなかったし、強いていえば、このコロナ禍であり得ない行動ではあったが、ネット上ではそれなりに盛り上がったのではないか。
新CM発表会もオンラインでありながら生中継、リアルタイムのコメントを演者がチェックしながら発表会が進行していくというのも新鮮だったように感じた。
ファーウェイがトランプ政権からの禁輸措置によって、Googleサービスに対応できず、苦戦を強いられる中、日本におけるOPPOの存在感はさらに増していくのではないか。特にキャリア向けにおいても、KDDIとソフトバンクで5G対応スマホを納入できたのはかなり大きい。カメラ機能も申し分なく、キャリアでも扱われることになり、有名人を起用したCMによって、ますます認知度は上がることだろう。
他の中国メーカーがネットオンリーのプロモーションにとどまる中、OPPOはテレビCMに注力することで他社を大きく引き離すことになりそうだ。
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