続きまして眼精疲労ですが、これも肩こりと原因は近い所にあります。やはりパソコンなりスマホを見続けることで、目が疲れるのです。目は水晶体というレンズに光の情報を取り入れ、その情報が網膜で処理をされて視神経を通じて脳に伝達されていき、脳内で映像化されています。この視神経に情報を伝える際に、ロドプシンというタンパク質が使われるのですが、ロドプシンは使っては合成してを繰り返しています。
目からの情報が過多となると、ロドプシンの消費量に対して合成が追いつかなくなり、それが眼精疲労の大きな原因となります。ロドプシンの合成の効果があるのがアントシアニンというポリフェノールです。アントシアニンはブルーベリーが有名ですが、アロニアというバラ科の果物にはブルーベリーの倍のアントシアニンが含まれています。
最近は機能性表示制度によって、効果を謳ったアントシアニン配合のサプリメントも出回っていますので、それを活用するといいでしょう。ただしポリフェノールですので、今飲んですぐに目が楽になるという程の即効性は期待出来ません。日々継続して摂取する事で、徐々にロドプシンの合成のバランスが整っていく感じです。
またルテインというカロテノイドも効果があります。カロテノイドとは、主に緑黄色野菜などに含まれる色素の事ですが、水晶体にも含まれていて有害な光を吸収したりして目を守る役割をしています。水晶体内での強い抗酸化機能を持つので、目の老化防止にも役立ちます。
多くの目の疲労を軽減するサプリメントは、先のアントシアニンとルテインを配合しているものが多いのではないでしょうか。肩こりの解消のためには肩トレを前提にと言いましたが、眼精疲労の前提は遠くを見る事です。パソコンに向かう前に何も考えずに5分程度遠くを眺めたり、途中で休憩の際にも遠くをぼぉーッと眺めるという習慣をつけておくと眼精疲労はグッと軽減していきます。
肩こりも眼精疲労もそれ自体は不快ですが必ずしも緊急性を感じないため、どうしても対応が後回しになりがちです。神経質になり過ぎるのもよくありませんが、体の不調は明らかにSOSの合図なのです。特に生活習慣からくる不快のSOSは下手をすると治りにくい状態に突き進んでしまいます。
私はサプリメントを活用するのはアリという立場ですが、そのためにもその前提となる生活習慣の部分をしっかりと修正してこそ効果が現れるものです。まずは緊急性の低いと思われるような不快を上手に取り除く事で、全体がグッと快適になっていきますから、逆に総力をあげて取り組んでみてください。
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