12.そこまで考える中で、日本にはそんな政争をやっている余裕があるのかという強い疑問が湧いてきます。現状のような難局であれば、ポスト安倍は来年の秋にキチンと決めることにして、当面は現体制のもとで「コロナ危機の出口戦略」「経済再起動のためのファイナンス」「米国政変の場合の対応」「日米中の関係正常化」を進めるべきだと思います。ですが、どうやら、それだけのことをやり切るだけのエネルギーを、この政権はもう残していないようです。
であるならば、より政策実行能力のある政権を作るということが、日本としては急務であるに違いありません。例えばですが、菅さんが徹底的な黒子に徹して、二階氏の影響力を奪い、小池を引きずり込み、河野(茂木さんでもいいです)を顔に据えて、いや場合によっては小池を顔として利用(村山さんのように担ぎ上げる)してでもいいから、中道救国内閣を作る、その上で枝野的な左派ポピュリズム、吉村的な右派ポピュリズムはあくまで野党のまま、というような安定に持っていくのが一つシナリオとして考えられます。
あるいは、先ほどの「SK+公明+宏池会+平成研+立憲の一部」と「KN+維新+清和会残党+右派系」という対立軸を形成して、お互いに政策遂行能力のある二大政党の競い合いに持っていくというのはあるでしょう。
いずれにしても、この秋、アメリカの大統領選が進行する一方で、日本の政変にも注視して参りたいと思います。
image by: 首相官邸