【書評】新型コロナは中国ウイルス 共産党が「九大苦」を放置した代償

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今現在も世界を大きく動かしている新型コロナウイルスの発生地でもある中国は、今までの歴史の中でも常に疫病の発生地でもありました。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんがレビューしているのは、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』でもおなじみ、台湾出身の評論家・黄文雄さんの一冊。中国で疫病が発生する原因、そしてそれを隠蔽しようとする体制について批判しています。

偏屈BOOK案内:黄文雄『新型肺炎感染爆発と中国の真実』

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新型肺炎感染爆発と中国の真実

黄文雄 著/徳間書店

副題は「中国五千年の疫病史が物語るパンデミック」。中国が歴史的につねに疫病の発生地であったこと、その感染拡大が世界史を大きく動かしてきたことを解説している。なぜ中国から拡散した疫病が厄介なのかということについても、歴史、民族性、文化、政治などさまざまな観点から考察する。いまは新型コロナウイルスと呼ばれているが、2/29発行のこの本では、名前はまだない。

中国の社会環境はいまだに劣悪で、都市と農村の経済格差は激しく、農村は貧困にあえいでいる。中国の農民には「九大苦」がある。一苦は党の支配や政府組織による搾取と収奪が激しいこと、二苦は教育を受けるのが難しいこと、三苦は移動や移住が難しいこと、四苦は社会保障がないこと、五苦は時代や世界に関する観念が欠落しており変化について行けないこと、六苦は資源の欠乏。七苦は地域間、同業間での意思疎通が難しいこと。八苦は創業や貯金が難しいこと。電気や水道といったライフラインさえない地域がある。九苦はつねに凌辱されているという悲哀だ。無学・無知の農民は優越意識を持つ都市住民によって差別され、蔑視され続けてきた。政府は中国が目下抱えている最大の問題が、農業、農村、農民問題の改善だと認めながら、解決手段を見つけられない問題がここまで深刻化してしまうと、さすがの中国共産党もなにもできない。

医療環境が遅れている中国は、自国で発生した疫病を処理できず、世界各国にまきちらしている。にもかかわらず、反省や謝罪どころか情報を隠蔽してごまかしている。

まさに今その通りになっている。大気汚染、水質汚染、土壌汚染も深刻化している。北京は地盤沈下が進行中で、30年後には廃墟になる。

それほどの環境汚染に何ら対処もせず、巨額の治安維持費を使い、全国に監視カメラを設置。2022年には中国全土で22億6,000万台に達する。人民一人あたり2台で監視することになる。軍事的、経済的、文化的な側面での中国脅威論や崩壊論とは別に、新型コロナなどの疫病発生と拡散国である中国は情報を隠蔽しているため、世界は脅威に感じてさまざまな流言飛語が飛び交っている。

いま中国政府の無力さ、隠蔽体質、不衛生さなど、経済発展の裏に隠れていた中国の実態があらためて露呈している。中国経済バブルははじけて、経済発展にブレーキがかかる。中国脅威論は中国崩壊論に変わっていく。これに対し習近平は「世論指導の強化」すなわち検閲による取締を繰り返し命じている。

これこそ1990年代から中国の指導者たちが重ねて警鐘を鳴らしてきた「亡党亡国」の危機である。歴代王朝の末期には、疫病が大流行することが多かった。宋・元・明がその好例だ。中国人にとっても、今回の疫病は亡国の脅威なのである。

革命国家の運命にもそろそろ終わりが近づいているのかもしれない。そのとばっちりを受けるのは日本だけでなく、いまや世界規模だ。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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