韓国を危機に陥れる南北朝鮮統一の夢。文在寅の謀反は米国が許さない

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支持率が低下するたびに「反日政策」をとって国民の目を逸らせてきたことで、韓国内のみならず日本からも批判を浴びている、韓国の文在寅政権。その文在寅大統領の悲願は北朝鮮との「南北統一」でしたが、その夢にも暗雲が立ち込めているようです。ジャーナリストの勝又壽良さんは自身のメルマガ『勝又壽良の経済時評』の中で、同盟国の米国からも韓国批判の言説が出始めてきたことを指摘。韓国が言論弾圧などを強めて「北朝鮮化」してきたこと、米韓同盟を破棄しかねないとする米メディアの報道を例に挙げ、文政権を「民主主義国家転覆罪に該当する危険な振る舞いだ」と厳しく批判しています。

文在寅の夢は南北統一、米国の世界戦略と大きな齟齬が招く「韓国の危機」

間もなく退任する安倍晋三首相は、「地球儀を俯瞰する外交」を標榜し着々と実現に向かっている。日・米・豪・インドを巻き込んだ「インド太平洋戦略」は、安倍氏の地球儀を俯瞰する外交政策から生まれたものである。

韓国の文在寅大統領は、さしずめ「朝鮮半島を俯瞰する外交」である。2045年までに南北統一を果たすという夢に向かって進んでいるが、米中対立の長期化という新たな国際情勢の変化には、まったく無頓着である。米中に深くコミットしないで、上手く泳ぐ「洞ヶ峠」を決め込んでいる。旧朝鮮李朝末期の外交戦略とほとんど変わらない有様だ。

事大主義が招いた外交音痴

旧朝鮮李朝末期の外交戦略も、隣国日本の存在を極めて軽んじていた。明治新政府が、李朝に公式文書を届けても受取りを拒否したほど。日本が届けた公文書が、明治天皇の名前であったからだ。日本のごとき儒教上の野蛮国が、「天皇」という称号を使うことは許されないという理由である。朝鮮では、日本についての知識が完全に欠落していた。

こういう李朝と文政権の間に、対日知識においてどれだけの差があるだろうか。ほとんど、同じである。韓国が、国際法を覆す判決(旧徴用工賠償問題)を出しながら、それを当然と考えている文政権は、李朝による日本の天皇称号を拒否するのと同じ振る舞いである。韓国は、国際情勢の変化に極めて疎いのだ。

普通であれば、周囲を「強国」に取り巻かれている場合、国際情勢の変化に鋭敏に反応するはずである。韓国では、それが全く見られないのである。真空状態である。これは、歴史的に中国の属国であったことが災いしている。「事大主義」という独特の中国依存心が生んだ結果であろう。その事なかれ主義が、文政権にも色濃く引継がれている。朝鮮戦争によって生まれた米韓同盟が、文政権によって揺さぶられているのは、その「事大主義」に依存して南北統一を先行させようとする民族主義によるものだ。

文政権は、民族主義の集団である。主義主張を超えて、南北は統一すべきという素朴な議論である。北朝鮮の人民弾圧に目を瞑り、韓国も北朝鮮化して言論の自由を圧迫する行動が始まっている。進歩派を任じる文政権が、検察改革を強引に推し進めた理由は、政権の不正を捜査させないための防護壁にしたのである。その意図が、今や明確になっている。秋法務部長官(司法大臣)の息子に関わる徴兵時代の「違法休暇」の訴えが10件以上も告訴されているが、捜査は意図的に遅らされていると批判を浴びている。公権力が、私益に奉仕しているのだ。

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