インパール作戦しかり。なぜ日本人は負けはじめるとドツボに嵌まる?

 

可哀そうなのは登下校の小中学生である。学校で指導されているのか、重そうなランドセルを背負って一人で歩いている小学生がマスクをしていると気の毒になる。学校は臨機応変ということは教えないのだろうね。三密でもマスクをして喋らなければ、感染確率はあまり高くない。パチンコ店でクラスターが発生しないのは、お客さんは他の人と喋らないで、一心不乱にパチンコ台だけを見つめているからである。電車でも喋る人がいなければ感染リスクはそれほど高くないと思う。

何のためにやるのかということを常に意識していれば、決まりだからとか、前例がないからとかいった首尾一貫教に騙されることは少なくなるだろう。日本では学校の教育が一番だめで、勉強ができる子も普通の子もできない子も、同じ授業を受けさせられているので、できる子にとっては時間の無駄で、できない子はついていけない。飛び級を許すなり、学級編成を能力別にするなりした方が効率的だと思うけれど、前例主義に凝り固まった文科省に何を言っても無駄なのかしらね。現場に裁量権をもう少し与えれば、多少はましになると思うけれど、権力を手放したくない文科省の官僚の抵抗が強いんでしょうね。

主体を取り巻く状況は時々刻々と変わるのだから、個人も会社も国も、状況に応じてやり方を変える必要があるのだ。コロナ禍で分かったことは、新しい状況に直面した時、国は首尾一貫性の呪縛に縛られて動けず、多くの個人も状況に応じて、行動パターンを変えることができないということだ。インバウンド頼みの経済はコロナ禍のようなことがあると、クラッシュを起こす。外国人観光客に頼っていた大阪市の税収は激減しているのに、維新は大阪市解体というかつての夢を実現すべく、税金を使って選挙をやるみたいである。同じ税金をつぎ込むのならもっと他にやることがあるでしょうに。首尾一貫教の信者がここにもいる。

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