日本は小規模ながら、自立している。反面、グローバルビジネスでは勝てない。日本人は米国人や中国人のように利益を追求して次々とビジネスを換えていくのは苦手だ。反面、継続、伝統、継承することに価値を見いだしている。従って、製造業が儲からなくなっても、繊維産業が儲からなくても、細々と事業を継続している企業があり、そこで働く人がいる。
日本は、技術はあるが、事業化することが苦手だ。もしかすると、日本は未だに貨幣経済、資本主義に馴染んでいないのかもしれない。もし、世界が分断され、他国を侵略する行為がなくなれば、日本は優位に立てるかもしれない。日本が優位に立つ条件は絶対的平和である。
グローバル経済とは究極まで分業化を進めることだった。ローカル経済はローカル単位で経済を自立させることだ。大量生産をしなければ、コモディティ化は起きない。単価が上がり、数量は減少する。
理想は、一人の人間が最初から最後まで一貫して商品を作る。当然、品質や出来上がりにムラがあるし、商品の完成度も低くなるだろう。それでも、工業製品にはない魅力はあるはずだ。企業が零細、個人レベルになれば、株式市場にも影響されない。逆に言うと、投資する機会は少なくなる。そして、自給自足に近づけば、貨幣経済の比率も少なくなる。
米国と中国は良く似ている。似ているから争うのかもしれない。それに比べて、日本は異質だ。異質であることを逆手にとって、独自の経済システムを発展させることが、日本人の幸せにつながるのではないか。
編集後記「締めの都々逸」
「似た者同士で 角突き合わせ どちらも引かずに 動けない」
米国と中国は似ています。考え方が、そっくりです。似ているから、仲良くなれたし、似ているから張り合っているようにも見えます。日本人から見れば、どちらもならず者です。常に他人から奪うことを考えています。それが国際ビジネスというものなのでしょう。
日本人は他人から奪うのが下手で、ビジネスも下手です。だから、平和が一番。そんな生き方はできないのかな?(坂口昌章)
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