テレワークがすっかり一般的となった今、自宅のネット回線の遅さに苛立ちを覚えているという声が多く聞かれるようになりました。そんな「不満」を狙った詐欺が横行しているようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』ではマンション管理士の廣田信子さんが、マンション住人をターゲットとしたインターネット接続詐欺の手口を紹介し、注意を喚起しています。
マンション住民がインターネット接続詐欺のターゲットに!
こんにちは!廣田信子です。
消費者庁は、9月25日、ソフトバンクの正規代理店をかたってマンションの管理会社の依頼を受けたように装い「マンション全体のインターネット接続サービスを「ソフトバンクに切り替える」と虚偽の説明をして住民と契約を結んだとして、消費者安全法に基づき、(株)レイスペック社(静岡市)、Sail Group(株)(大阪市)2社の事業者名を公表し注意喚起しました。
● マンション管理会社の関係者を装い、マンション全体のインターネット接続サービスが切り替わるかのように告げて、インターネット接続サービスの契約をさせる事業者に関する注意喚起
住民に対する詐欺的口上は…
- マンションのWi-Fiの回線速度が遅いので、マンションの管理会社から別の無線ルータを無償でお渡ししているんです
- 各部屋のWi-Fi機器を交換しなければいけません
- マンションのWi-Fiが遅いから、管理会社から許可をもらってソフトバンクに切り替えるので、その手続に回っています
などです。また、
- マンション管理会社の関係者を装いマンション全体のインターネット接続サービスが切り替わるかのように告げてインターネット接続サービスの契約をさせる
といったものもあります。こういった相談が、各地の消費生活センター等に数多く寄せられおり、消費者庁が、消費者被害の発生と拡大の防止のために情報を公表し消費者に注意を呼びかけているのです。
もちろん、管理会社から、この2社に勧誘を依頼した事実も、マンション全体のインターネット接続サービスがこのサービスに切り替わることになった事実も、ありません。
こういった詐欺手法は、この2社以外にも広がっている可能性があります。マンション全体でインターネット接続サービスを契約しているところはぜひ、注意を呼びかけてください。
それにしても、詐欺商法を考える人は、ほんとうに、人々の潜在的ニーズを嗅ぎ取るのがうまい…と思いました。コロナ禍で、インターネット利用者が増えたことで、マンション全体でインターネット接続サービスを契約しているマンションで、速度が遅い、リモート会議中にフリーズしてしまう、等の不満の声を聞くからです。そんな不満を持っているところに、こんな話をされたら、コロッと騙されるかもしれません。
管理組合運営がしっかりしているマンションでは、総会の決議もなく、こんなことが行われるはずはない…と気づくはずですが、何でも、管理会社に任せきりと、管理会社の名前を出されると、信用してしまうかもしれません。
騙されないように呼びかけるのと同時に、各家庭でのWi-Fi利用はますます増えるでしょうから、インターネット接続に対する不満があれば、それに耳を傾け対策を考えることも必要になってくるでしょう。
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