今回のすったもんだで、「東大の総長ってどんだけ権力があるのか?」というコメントがSNSで散見されましたが、東大の総長という「肩書き」そのものが「権力の象徴」なのです。
高名な肩書きを持っているだけで、身長が実際よりも高く知覚されるなんて心理実験もありますし、米国の人気テレビ番組『ラリー・キング・ライブ』の司会者のラリー・キングは、社会的地位と名声のある人物がゲストのときには、相手に合わせて声の調子を変えていたという分析結果もあります。
私たちの無意識に「肩書き」という眼鏡越しに人を評価する心理を持ち合わせている。その結果、肩書きそのものが権力となり、権力という魔物の罠にはまると、絶対感が高まり「俺がルール」になってしまうのです。
いずれにせよ、学問の根幹である「透明性」を、もし学問の世界のトップ中のトップの方たち自らが壊していたなら言葉がありません。
「ドロドロの権力争い」の醜態を世間に知らしめ、失墜させた東大の信頼をどうやって取り戻すのか。この事態をどう収拾するのか。誠実に対応してほしいです。
みなさんの意見もお聞かせください。
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