元公明党委員長が暴露「池田大作名誉会長ミイラ化計画」の本気度

 

『池田大作と宮本顕治』をなぜ書いたか

8月11日に発売される『池田大作と宮本顕治』(平凡社新書)は、ある意味でコロナが書かせた本である。いろいろな集会等が中止になって家にこもることが多くなった私は、『自民党と創価学会』(集英社文庫)の続編ともいうべきこれを2ヵ月余りで書き下ろした。

1975年に創価学会の会長(当時)だった池田と日本共産党幹部会委員長(同)の宮本が作家の松本清張の仲介で会談を重ね、お互いに尊重し合うという「創共協定」を結んだことは、いま、ほとんど忘れられている。

会談は『毎日新聞』に連載され、『人生対談』(毎日新聞社)と題してまとめられて、1975年末に刊行された。

一見ほのぼのとしたこの対談は、池田が言論出版妨害を特に共産党に攻撃されたので、それをかわす下心を持って進められた。だから、直接争っている公明党には遠慮せずに共産党を批判しろと言っていたのである。

出版妨害は藤原弘達の『創価学会を斬る』(日新報道)を主な対象として行われたが、それに抗議して、作家の五木寛之、野坂昭如、結城昌治、梶山季之、佐野洋、戸川昌子が、創価学会系の雑誌『潮』等への執筆拒否を宣言した。のちに私は鎌田慧と共に、公明党が自民党と連立政権を組んだ時に、同じように執筆を拒否した。芸者が特定の料亭への出入りを自ら止めるもので、それなりの覚悟が要る。

それはともあれ、池田が女性幹部をレイプしたとして訴えられた信平裁判というのが起こる。『月刊ペン』がそれについてのキャンペーンを張ったので、それを抑えるために、黒幕の笹川良一が動く。

その時の良一の指摘が興味深い。

このようなことで、創価学会と、自分に近い立場の民族派と言われる人たちが争うことは、日本のためにならない。創価学会は戦後、共産主義に対する防波堤となって、底辺の人たちをアカに走らぬよう引き止める役割を果たしてきた。これからもその役割はまことに大切である。その指導者である池田大作先生を女性スキャンダルなどで傷つけることは、国家的な損失である。何とかしたい。

『月刊ペン』の編集長はいきなり逮捕されたりしたこともあって徹底抗戦を主張していたが、社長は笹川の意向を無視できない関係だった。

それはともかく、「底辺の人たちをアカに走らぬよう引き止める役割」を創価学会は期待されてきた。

だから、「創共協定」をめぐって、両組織の幹部が下会談を続けていた時、共産党が学会に政党支持の自由を求めると、学会の幹部は、いま公明党支持をはずすとみんな自民党に行ってしまうと反対し、こう続けたという。

公明党支持というのは、むしろ、学会員が自民党に走る傾向の歯止めになっているのだ。

私はその歯どめをはずすために『池田大作と宮本顕治』を書いた。(メルマガより一部抜粋)

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