【書評】「年金破綻」というフェイクが財務省にとって好都合な訳

 

「社会福祉は税金で賄うものだから消費税しかない」という俗論がまかり通る。経済界も「年金は保険」という認識が世間に浸透すると困る。年金保険料は労使折半だから、保険料アップで年金を賄うことは、企業の負担が増えることだ。それなら広く社会一般に負担を押し付ける消費税の引き上げの方がマシだと、経済界は「保険料の引き上げ」という、本来の解決策に強硬に反対するのだ。

著者は北欧の事例を分析し「年金は福祉ではなく保険である」という事実を見出す。そして、「日本の年金制度が数学や統計学を用いてリスクを評価する数理計算に基づいた『保険』である以上、人口が想定通りに減少しても、破綻することはないのである」と断言する。横行する「年金破綻」というフェイクに騙されてはならない。社会保険料徴収のための歳入庁を創設せよ。

編集長 柴田忠男

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