プラスチックごみ削減の観点から導入された「レジ袋有料化制度」ですが、店舗ごとの対応が明暗を分けている地域もあるようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、無料で提供できるバイオマスレジ袋の配布を開始した店と有料化を選択した準大手チェーン店の集客を比較しその結果を紹介。今のところ生活者は、レジ袋にお金を払うことに対して抵抗があるようです。
レジ袋の有料化で明暗を分けた、スーパーの現状
レジ袋の有料化が始まり、そろそろ消費者は慣れてきたのではないでしょうか。エコバッグを持ち歩く人が増えた一方、有料でもレジ袋を買う人も相当数います。私もエコバッグが面倒だと思っているひとりですが、環境問題なので仕方がないと思い、エコバッグや家にあるレジ袋を持ち歩いています。
しかし、買い物をするお店によっては、何も気にすることなく、従来通りに利用できるので、そちらのお店に足を運ぶ回数が増えました。
「レジ袋が無料」。
バイオマス素材を25%以上使ったレジ袋は、無料で提供しても良いことになっています。これまで私が利用していたスーパー4、5店舗のうち、3店舗がこのレジ袋になっています。
買った物を袋詰めする手間は、エコバッグもレジ袋も同じなのですが、やはりレジ袋をタダでもらえるのは、生活者にとって大きな魅力なのです。レジ袋は再利用が前提で、食材を入れておいたり、ゴミを捨てる際には、“必ず”と言っても良いほど、利用されるものなのです。
有料化が始まってからは、ゴミ捨て用にわざわざ業務用のレジ袋を買う人も増えています。結局は、プラスチックの削減には繋がらないように思います。
では、スーパーには、どのような影響が出ているでしょうか。
私の周辺のことですが、準大手と言われるチェーン店では、レジ袋を有料としました。もう1店舗は業務用のスーパーで、元々有料です。残り3店舗は、地元の小規模なチェーン店ですが、バイオマスレジ袋に替え、無料にしました。
この結果、有料化した準大手のお店は、明らかにお客さまが減ってしまいました。業務用スーパーは変わらず。ここは、レジ袋以上のメリットがあるので当然です。無料のままのスーパー3店舗は、駐車場が開店と同時に一杯になるようになりました。準大手に行っていたお客さまが、この3店舗に流れたのです。
レジ袋だけで、これほど客足が変わるものなのですね。
エコ意識が大切なことは誰もが理解していますが、日常の生活スタイルを変えることには、抵抗があるようです。レジ袋は、“家庭内”に必要なものだったのです。
はたして、準大手スーパーは、今後どのような対応をするのでしょうか。
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