「大阪都構想」が住民投票で否決されたことを受け、大阪市の松井一郎市長が明らかにした新制度案が波紋を広げている。朝日新聞などによると、松井市長は府と市の広域行政を一元化する条例の制定を目指す考えを示したが、それに対し「大阪都構想の代案だ」と批判の声が上がっている。
維新が、否決された「都構想」ほぼ同一のコピー案
そもそも大阪都構想とは、大阪府と大阪市による二重行政を解消しようとする行政改革構想。大阪市を廃止して、新たに4つの特別区を設置することを目指していた。
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住民投票で否決されたことにより、松井市長は任期満了での政界引退を表明し、「後悔はない」とコメント。吉村大阪府知事も「再挑戦はしない」と語っていた。
にもかかわらず、“都構想”という言葉は使わずとも、広域行政の一元化と総合区の設置という、全く同じような案を明らかにしたのだ。
吉村知事と松井市長はこの理由を住民投票で半数近くの票を集めたからとしているが、大阪都構想が否決されたばかりということもあり、自民党や共産党は猛反発している。
住民投票の結果を無視した暴挙を、投票の直後に平気で持ち出す。あまりに異常、あまりに厚顔無恥、あまりに無反省というほかない。 https://t.co/xPlZQ0cP3e
— 志位和夫 (@shiikazuo) November 7, 2020
共産党の志位和夫委員長のツイートに対し、松井市長も自身のツイッターで反論。
志位さん、今回の民意は大阪市を残して二重行政と府市の対立を抑止すべきというものです。共産党も対案ぐらい出せばどうですか?未だに文章通信交通滞在費の領収書公開もせず、被災地支援募金から経費を差し引く共産党こそが厚顔無恥でしょう。 https://t.co/UlA3XvThVm
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) November 7, 2020
松井市長は市委委員長に対して、文句を言うなら「対案を出せ」とツイッター上で迫った。
認知症か?知らんけど
松井市長のツイートには違和感を覚えざるをえない。そもそも「大阪都構想」は住民投票で否決されたのだから、「それなら代替案を出せ」と迫るのはおかしいのだ。
松井市長の理論だと、「大阪都構想が否決されたから、それに代わる案を出しました。それが今回の案です」ということなのだろうが、当事者である大阪市民からNGを出されたのだから、大阪都構想は引っ込めるべきで、代案も何も今は求められていないのだ。
このような動きに対し、ネットでも否定的な意見ばかりが目立つ。
大阪都構想否決されたら2秒で同じ内容を条例化で実現する代替案出してきて草。
反対派が勝どき上げたのも束の間、また血を見る抗争の始まりやんけw
— ショーンマクアードルk(菅野史人) (@lifeiscapital) November 7, 2020
都構想の選挙あかんかったら辞める言うとったやんけ、それやのに辞めんとまだ都構想みたいなことするんかい、橋下と竹中にかなりキツくゆわれてんのか??
— 石川康一 (@iTBwbgi7bhXs3jN) November 7, 2020
しかし,民意をバックに出てきたという自負があるなら,2度否決されたという民意も尊重しなきゃならんだろう?
いつまで負け惜しみを垂れ流してんの?#ゴールデンラジオ #サキドリちゃん #くにまる
橋下徹「僕だから語れる大阪都構想の10年」(プレジデントオンライン)https://t.co/h1v0Bi9Red
— ちくちじん (@kzfm_fjt1977) November 11, 2020
維新の会の人たちは「住民投票」を実施する意味とか、「住民投票」の意味すら、まったく理解できていないんだな…。否決された方の半数を尊重し出したりしたら、民主主義は崩壊する。
否決直後に都構想「簡易版」? 維新の新制度検討が波紋:https://t.co/9IoytBZaoG #大阪都構想
— うぼしと (@uboshito) November 11, 2020
大阪都構想が否決されてわずか一週間。新たにこのような案を打ち出せば、非難が集中してしまうという考えは浮かばなかったのだろうか?当事者である大阪市民が「ないがしろにされている」と思うのは当然である。
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自分たちの政策ばかりを優先していると思われかねない今回の新制度案。松井市長と吉村知事は再び茨の道を進むことになりそうだ。
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