安倍晋三の今年の失言や暴言だけを見ても、野党議員に対する「意味のない質問だよ」というヤジ、「募ってはいるが募集はしてない」という噴飯物の答弁、「責任を取ればいいというものではない」という呆れ果てた説明など、どれもノミネートに値する迷言だけど、やっぱりどこにもない。2014年には、野党議員に対する「早く質問しろよ」というヤジがノミネートされているのに、どうして今年の「意味のない質問だよ」というヤジはノミネートされないのか?
他にも安倍晋三は、5月25日の新型コロナに関する会見で「わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができました。まさに日本モデルの力を示したと思います」などと言っている。さすがにこれは長すぎるけど「嘘の収束宣言」という言葉を選ぶべきだ。それに「東京五輪延期」もある。安倍晋三は「人類が新型コロナに打ち勝った証として完全な形で開催する」と大見得を切ったのだから、「東京五輪延期」だけでなく、この大見得も候補に挙げるべきだろう。
…そんなわけで、今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補30語は、あたしが総合的、俯瞰的に判断した結果、あたしは当初の名簿は見ていないが、一部のジャンルに選定が偏っていて、全体のバランスに問題があることが分かった。たぶん、当初の名簿にあった「桜を見る会」「ダブル逮捕」「黒田杯」「嘘の収束宣言」「東京五輪延期」「募ってはいるが募集はしてない」という安倍晋三にとって都合の悪い6つの候補を、どこかの誰かが人事権を振りかざして「任命拒否」したからだろう…なんて空想してみた(笑)。
(『きっこのメルマガ』2020年11月11日号より一部抜粋・文中敬称略)
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