バイデン政権の4年間
米国の大統領選挙の開票がすべて終わり、最終結果でもバイデン氏306でトランプ氏232となり、バイデンの勝ちになっている。トランプ氏が提訴してもひっくりかえすのは、無理であろう。もう、バイデン政権の今後を見たほうが良い。
そして、バイデン政権の政策が少し見えてきた。対中政策は強硬的であるが、制裁関税などではなく、同盟国とともに口頭で非難をするだけのようだ。
菅首相との電話会談でも尖閣を日米安保の範囲としたが、中国に気を使い、公式には尖閣を述べないなど「言行不一致」もある口先外交になっている。それを見越した中国は、米国を脅す方向になる。しかし、米国は口先外交で、それ以上には踏み出さない。
北朝鮮に対しても同じであり、口先外交をするだけのようだ。金正恩委員長は、埒のあかない米国に対していらだち、ICBMの試験を大々的に行うでしょうね。日本にICBMが飛んできて、その都度、大騒ぎをすることになる。
バイデン政権は、政権発足と同時にレームダック化する。上院で共和党多数になり、人事も予算もすべてマコーネル共和党上院院内総務との了解の元で決まることになる。裏を返せば、何もできないということになる。
このため、民主党的な大判振る舞いも富裕層への増税、オバマケアの拡充も、大学無償化もできない。社会主義的な政策は封印される。できるのは、コロナ対策など限られる。
外交は、同盟国重視というが、中国やロシアに対しても弱腰で、軍事費も増やさないので、何もできない。中国は南シナ海の領有権を確保して、次に西太平洋に出てくる。益々、中ロは勢いを増すことになる。
バイデン大統領は、中ロとの戦いを避けて、中東などの途上国に、爆弾を大量に落とすことしかできない。軍産複合体の利益代表であるバイデン大統領は、戦争を始めることもないが、戦争を止めることもない。
その内に、大判振る舞いもないので、デフレになり景気も落ちて、ワクチンができて特別給付もなくなり、貧困層の生活が苦しくなり、米国民はトランプ時代の失業率の低い完全雇用状況の経済を懐かしむことになる。しかし、デフレになるので、MMT理論は有効になり、財政出動をできるが、共和党が予算を阻むことになる。
この赤字財政と、ワクチンができて特別給付もできず、IT企業への規制と課税で勢いがなくなり、その上、有効な産業政策も打たないので、ドル安になると見通せる。勿論、株価も大幅な下落になり、経済的な衰退も起きる。
日本企業や韓国企業の工場を誘致するなどの産業政策を行うべきであると思う。しかし、韓国は中国陣営になり、米国を振り向かなくなる。
ワクチンもできて、FRBの金融緩和の名目もなくして、打つ手がないことになる。財務長官にイエレン氏がなると、イールドカーブ・コントロールで金利は低い状態をキープできるが、通貨の下落で埋め合わすしかなくなる。
このため、円高にもなる。日本経済も大きなダメージを受けるが、米国の投資家が日本株を買うので、株価は上昇する可能性もある。菅首相のデジタル化政策などの産業政策が重要になる。
一方、米国ではバイデン政権で、米国の衰退を隠すことができなくなる。軍事費と社会保障費など取り合いで民主党内での穏健派と左派の戦いは、収拾がつかなくなるはず。
このため、4年後の大統領選挙では、トランプ氏が優位になる。バイデン大統領は4年で辞めるので、次の民主党候補はカラマ・ハリス氏になるが、米国民は再度、トランプ氏を選択することになる。
日本も4年後を見据えて、準備しておくことである。トランプ氏が出てきたら、日本は安倍さんが出ていくしかない。
さあ、どうなりますか?
image by: 首相官邸