日本で「ワクチン報道」ほぼ無しの異常。否定派の閣僚級人物が影響か

 

この点に関しては、日本の状況は少し不安があります。まず、12月に入ってからの英国発の「ワクチン熱狂報道」については、日本が冷静さを保っているのは理解できます。ですが、接種順位や副反応対策など徐々に具体的な情報が出ているのに、それがほとんど報道されていないのは問題だと思います。

これはどこまで本当かは分かりませんが、政権中枢においても、個人的にはワクチンに否定的な閣僚級の人物がいるとかいないとかいう報道もあり、大変に心配です。

何と言っても、現時点では2021年夏にはオリンピック、パラリンピックの開催が予定されていますが、「日本は接種可能なのに、異常に接種率が低い」ということになれば、国際的な信用は揺らいでしまいます。五輪に関しては、既に外国選手の練習場所として受け入れを決めている市町村などが「外国選手から伝染するのが怖い」ではなく、「外国選手に伝染させては申し訳ない」として、交流禁止を打ち出しているようですが、仮にそうであっても、やはり接種率と開催の安心というのは密接にリンクすると考えられます。

確かに日本の場合は、予防接種そのものが苦難の歴史を抱えているのは事実です。麻疹、風疹、HPVなど、時代の流れに応じて政府が全員接種を進めたものの、危険論が出るとメディアが思い切り感情論を煽って「お上と庶民」の対立構図を作り上げ、最後には全員接種を断念させるというパターンが繰り返されたからです。

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