日本で「ワクチン報道」ほぼ無しの異常。否定派の閣僚級人物が影響か

 

現時点での政府やメディアには、その繰り返しにならないように慎重にしているという気配もありますが、そうではなくて、そもそも「ありのままの自然」を信仰の対象として「人為」を嫌う日本のカルチャーに対して、極端に怯えているということもありそうです。

そのカルチャーの問題は深刻だから、慎重に持っていきたいというのは、分からないでもありません。ですが、英国発で大きな動きがスタートしたのは紛れもない事実です。経済のスローダウンが行き着くところまで行って、観光業やサービス業が壊滅的になる危険を回避するとしたら、やはりワクチンの接種率というのは上げていかなくてはならないと思います。

そろそろ日本でも、ワクチンに関する詳細な報道を開始して、世論の理解と接種への準備を進める時期と思われます。ワクチンの早期接種には反対という立場があり、その見地から安全性に対する厳しい、しかし建設的な批判がされるのであれば、それはそれで意味はあります。けれどもそうした賛否両論による徹底的な議論についても、もう始めなくてはいけないと思います。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋)

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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