確実に反日親中のバイデン新大統領。それでも日米関係が安泰な訳

 

親中バイデンでも、「米中覇権戦争」は終わらない

というわけで、バイデンは間違いなく親中反日。ですが、米中覇権戦争は終わらないでしょう。なぜでしょうか?一般的に、「民主党は親中」といわれます。そして、「クリントンもオバマも親中だった」と。

「バイデンは、親中オバマ政権の副大統領だった」

こういうロジックで、「バイデンが大統領になって米中覇権戦争は終わる」と思える。しかし、「オバマが親中だった」というのは、完全な真実とはいえません。オバマは、2015年3月以降、完璧な反中になったからです。どういうことでしょうか?

2015年3月、「AIIB事件」が起こりました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、韓国など、親米諸国群が、中国主導の「AIIB」に入ってしまった。アメリカが「入るなよ!」と要求していたにも関わらずです。

これで世界は、「アメリカの覇権は終わりつつある」こと、「中国は覇権にものすごく近い」ことを悟った。そして、アメリカは、「中国を打倒しなければならない!」と決意したのです。この時、大統領はオバマ、副大統領はバイデンでした。

もう忘れていると思いますが、2015年、米中関係は悪化して、両国の「軍事衝突」が懸念されるようになっていました。夕刊フジ2015年5月28日。

米中激突なら1週間で米軍が制圧中国艦隊は魚雷の餌食緊迫の南シナ海

 

南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺の領有権をめぐり、米中両国間で緊張が走っている。軍事力を背景に覇権拡大を進める習近平国家主席率いる中国を牽制するべく、米国のオバマ政権が同海域への米軍派遣を示唆したが、中国側は対抗措置も辞さない構えで偶発的な軍事衝突も排除できない状況だ。

2015年9月22日、習近平は、国連総会に出席するためアメリカにむかいました。彼を待っていたのは、予想以上の冷遇でした。まず、メディアが彼の訪中を報じない。当時一番の主役は、ローマ法王フランシスコの訪米。次は、インドのモディ首相の訪米でした。夕刊フジ2015年9月28日。

一方、目立ったのは、米国内の習氏への冷ややかな反応だ。米テレビは、22日から米国を訪問しているローマ法王フランシスコの話題で持ちきりとなっており、習氏のニュースはかすんでいる。中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏は「習氏にとって一番の期待外れは、全く歓迎されなかったことだろう」といい、続けた。「ローマ法王はもちろん、米国を訪問中のインドのモディ首相に対する熱烈歓迎はすごい。習主席は23日にIT企業と会談したが、モディ首相もシリコンバレーを訪れ、7万人規模の集会を行う。米国に冷たくあしらわれた習氏の失望感は強いだろう。中国の国際社会での四面楚歌(そか)ぶりが顕著になった」

この2つのできごと、「親中」と呼ばれるオバマ、バイデン政権で起こっていた。というわけで、「米中覇権戦争」、実をいうとスタートしたのは、オバマ、バイデン政権です。トランプは、オバマ、バイデン路線を引き継ぎ、覇権戦争をエスカレートさせた。

バイデンは、確かにかなりの親中でした。しかし、2015年以降、アメリカと中国の関係は、根本的に変化した。バイデンが内心どう思っていても、アメリカの覇権を維持するために、中国と戦う羽目になるでしょう。

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