先生、助けて。いじめを解決する気ない教師が放った呆れた言い訳

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「いじめを解決するなかで一番大変なことはなんですか?」─。そんな質問を高校生から受けたのは、無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』を発行する、同ネット代表の井澤一明さん。いくつものいじめ問題や学校・教師たちの無関心と対峙してきた井澤さんは、この難しい問いに対してどのように回答したのでしょうか?

教師の「言い訳」

師走ですね。冬らしい寒さが訪れましたが、新型コロナは治まらず、暗い世相という雰囲気が漂っています。来年こそ、新型コロナを克服し明るい未来を期待したいですね。

「いじめの解決をしていくなかで、どんなことが一番大変ですか」。先日、高校生からこんな質問をいただきました。

やはり、「いじめ」がおきても、生徒同士、子供たち同士で解決できることが、一番いいと私たちは思っています。いじめと言っても、人間関係の問題には違いありません。意見の相違や、好き嫌い、相性が合う、合わないなど、多様な個性の違いを、どのように調整していくかという問題だと言えます。それを「いじめ」という行為を通して、自分が優位になるようにすすめようとする一部の子がいます。子供たち自身が調整できれば、「いじめ」にはならずにちょっとしたトラブル程度で終わるものなのですが、実際には「いじめ」は大きな問題となっています。

特に、私たちのところに来る相談は、生徒同士の話し合いとかでは解決できなくなってしまっている案件ばかりです。そんな膠着してしまっている「いじめ」を解決するには、教師の正しいジャッジが必要です。つまり、先生が動いてくれないと、いじめは解決しないと言えるのです。私たちは、いじめを8,000件以上も扱い、9割方解決したと言ってはいますが、それは、言い方を変えると、現場の先生に解決を促して解決したということなのです。

「何が大変なのか」という冒頭の高校生の質問に対する答えとしては、「先生に、いじめを解決する気になってもらうのが大変なんです」ということです。教師が本気になったら、解決できないいじめはないと言っても過言ではありません。しかし、この「やる気になってもらう」、「解決に乗り出す」というところに至るまでに、教師の「やれない理由、やらない理由」を乗り越える必要があります。

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